日本銀行の黒田東彦総裁は、ステーブルコインが「多くの人が利用し得る便利な決済手段」になることができると語った。

13日の参院財政金融委員会で音喜多駿議員の質問に答えた。ステーブルコインについて質問された黒田総裁は、一定の課題があるものの、ステーブルコインは便利な決済手段になるという考えを示した。

「ステーブルコインについては、法的確実性、健全なガバナンス、オペレーションの頑健性やサイバー耐性などがしっかり確保されれば、多くの人が利用し得る便利な決済手段になるわけだが、一方でマネーロンダリング、データプライバシー、消費者や投資家の保護など、様々な課題がある」

ただ黒田氏は、日本や海外でのステーブルコインの利用はいまだ限定的なものにとどまっているとの認識も示している。

「日本円連動型ステーブルコインは、あしもと、発効する動きもみられるが、極めて限定的な発行額にとどまっている。海外では、財・サービスの決済手段として、広く利用されるには至っていない」

日本銀行は3月、中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する連絡協議会を設置し、第1回会合を行っている

連絡協議会には、民間事業者からは全国銀行協会や全国地方銀行協会、日本証券業協会などの金融関連の業界団体が参加。政府側からは金融庁や財務省が参加している。

日銀の黒田東彦総裁は3月16日にCBDCについて「この春からいよいよ実験を開始する予定だ」と語っていた