CNBCの有名司会者ジム・クレイマー氏は「仮想通貨に真の価値はない」と発言し、市場がさらに暴落すると予測した。だが仮想通貨コミュニティーの一部は、クレーマー氏の実績を踏まえ、市場の底打ちが今なのかもしれないと考えている。

クレイマー氏はCNBCの「マッド・マネー」の司会者として知られているが、仮想通貨コミュニティの中では、一般的に的外れであり、彼の予測と全く逆の結果になるとも言われている。

彼の予測は、仮想通貨に対する彼の愛憎とともに、過去数年にわたりコミュニティの間で人気のミームとなった。

7月5日にCNBCの「スクウォーク・ボックス」に出演したクレイマー氏は、2022年の様々な資産クラスの弱気なパフォーマンスについてコメントした。現在「最も関心がある」セクターは仮想通貨であると述べ、彼はそれが本質的に無価値であると非難しながら、今後より悲惨な状況になるだろうと予測する。

「仮想通貨は本当に崩壊しているようだ。3兆ドルから1兆ドルになった。なぜ1兆ドルで止まらなければならないのか?そこには本当の価値はない」

「サム・バンクマン-フリードはいくつかの会社を救えるか?」ともクレイマー氏は付け加えた。

このコメントのわずか2ヶ月前、クレイマー氏は自分がイーサリアムの「信者」であり、近い将来「35~40%の投資収益率を簡単に得られる」と熱弁したのとは対照的だ。

この予測は、イーサ(ETH)の価格がおよそ3000ドルのときに行われ、その後、価格は62%下落した。

また、クレイマー氏はNFTについても厳しいコメントを行った。このような「ひどい」資産クラスに投じられる資金の量に疑問を呈した。

クレイマー氏のコメントを受け、ツイッターでは「Inverse Cramer ETF(逆クレイマーETF)」という、「ジム・クレイマーの推奨銘柄を追跡して、その反対のことができる」というユーザーアカウントまで生まれている(このアカウントでは、これまでに62,800人のフォロワーを獲得している)。そのアカウントによれば、最近では、クレイマー氏がフォードとナイキの購入を勧めて以来、株価がそれぞれ25%と7%下落したという。

クレイマー氏が初めてビットコイン(BTC)を購入したのは2020年12月にさかのぼる。昨年6月の弱気相場の際、クレイマーは「構造的な理由で価格が上がらない」と言って、持っているBTCをすべて売ったと述べている。その4カ月後、BTCの価格は約69,000ドルの最高値まで急騰した。

また2021年8月に、クレイマー氏はコインベース株COINがおよそ248ドルと「安い」ため、購入を提案した。記事執筆時点では、COINの価格は55.41ドルだ。