BraveNewCoinの研究所長、Tone Vays氏が、匿名性を保ったままビットコインを購入する方法と、現在暗号通貨が実際にどのようなことに利用されているのか、そして今後どのようなユースケースが期待されているのかについてコインテレグラフに語ってくれた。

 

オンライン取引所 VS BTM (ビットコインATM) VS 個人間取引

 

コインテレグラフ (以下CT): 何故オンライン取引やBTMを使わずに、個人間でビットコインを売買しようとする人が一定数存在するのでしょうか?

Tone Vays氏: (以下TV): 何故ならビットコインは世界で唯一当局によって没収されることがない資産だからで、誰にも自分が所有していることを知られずにビットコインを所有できるということはとても大事だからです。個人間でキャッシュを以てやり取りする方法だけが、唯一オンライン上の痕跡を辿られずに資産を手に入れることが出来る方法ですし、それによって政府に登録された個人情報と照合し、ビットコイン所持者であると確認することが不可能になります。脱税や、離婚した際の資産隠しなど、例え違法な取引をした際であっても、誰にも非難されることなくビットコインを所持できるという安心があって、初めてビットコインを保持し、利用することが出来るのです」

 

CT: ビットコインをCoinbaseなどのオンライン取引所で購入するのと、BTMや個人間で取引をするのではどのような違いがあるのでしょうか?

 

TV: Coinbaseを利用するには、あなたが銀行口座をCoinbaseのアカウントに登録した本人であると証明できる必要書類や、デジタル化された身分証明書が必要になります。

BTMにも身分証明書が必要ですが、買い手が誰なのか確認さえ出来ればいいので、他人の政府が発行したID、写真、掌紋、などが手元にあるのであれば、他人になりすますことも出来ますし、あなたが支払いをしたからと言って、IDがあなたのものである必要はありません。

 

個人間でビットコインを取引することが、唯一匿名でビットコインを購入する方法です。

 

CT: ビットコインを購入する際に、個人情報と紐づけられることで、どのような危険が想定されますか?

 

TV: あなたがビットコインを売ろうとしていて、買い手に、あなたの口座に入金してもらいたい場合は、将来的なトラブルを呼び込むようなものなので、少し危ないかもしれません。イーサリアムの共同設立者、Gavin Wood氏も、マネーロンダリングなどの容疑で、財務省から調査が入る可能性があり、危険な方法だ、と強調していました。

 

CT: Vays氏個人の意見としては、主にビットコインがどう使われ、またはどう使われるべきだとお考えですか?

 

TV: ビットコインには、第一に、以下のような用途がありますが、他は二の次で考える必要はない、とよく周りの人間に言っています―

 

  1. 政府が支持したがらない団体への寄付 (実例 ― WikiLeaks)
  2. 政府が好ましく思っていない製品の購入 (実例 ― Silk Road)
  3. 政府が好ましく思ってない管轄でのギャンブル行為 (実例 ― Nitrogen Sports)
  4. 政府が好まないサービスの購入 (実際に起こりそうな一例 ― Backpage[アダルトサイト])
  5. 配偶者からの財産秘匿 (まもなく実例の一つになるでしょう)
  6. 政府からの財産秘匿 (もう行われているかもしれませんが、ごく少数だと思います)
  7. 国境を超えた資産のやり取り (既に行われ始めています ― 中国人がマイニング機材を揃えて、フィアット・マネーをビットコインへ換金し始めています)

 

7番目はまさにビットコインが起こしたイノベーションだと言えるでしょうし、世界的に皆が関係してくるような出来事だと思います。同じことが6の項目にも言えますが、7番目の内容ほどではないですね。Purseなどのサイトを使って、AmazonやStarbucksで購入する方法がリストにないのは自分でも意外ですね、おそらく大して重要ではないと思ったのでしょう、最近は専らブロックサイズに関する議論で頭が一杯で辟易としていますから。

 

ここでのTone Vays氏による意見は、彼個人によるものであり、BraveNewCoinからの引用ではないことを明記したい。