タイ大手銀のカシコン銀行(通称Kバンク)が、同国の仮想通貨取引所サタン(Satang)の過半数株式を取得することで仮想通貨業界に進出する。

カシコン銀行はタイ証券取引所傘下にあるタイで2番目に大きな銀行だ。

同行は10月30日、タイ証券取引所のウェブサイトでサタン社の株式の97%を取得したことを発表。取得額は約154億円で、同行子会社ユニタ・キャピタルを通じて行われる。

今回の買収にあわせサタン社は社名をオービックス・トレード・カンパニー・リミテッド(Orbix Trade Company Limited)に変更する。

カシコン銀行はカストディー・プラットフォームの「オービックス・カストディアン」、ベンチャー投資会社の「オービックス・インベスト」、ブロックチェーン技術開発の「オービックス・テクノロジー」の三社を一挙に手にすることになる。

サタン社はタイの主要な仮想通貨企業で、仮想通貨取引所を含む様々なデジタル資産サービスを運営している。

また、サタン社の創業者であるポラミン・インソム氏は、プライバシーに焦点を当てた仮想通貨フィロ(FIRO、旧称Zcoin)の立ち上げで知られている。

今回の発表に先立つ2023年9月、カシコン銀行はWeb3、フィンテック、人工知能を対象とした1億ドル規模の投資ファンドの立ち上げを発表していた。