タイ証券取引委員会（SEC）は30日、同国の大手仮想通貨取引所ビッカブ（Bitkub）の最高技術責任者（CTO）に対して、ビッカブコイン（KUB）の購入に関するインサイダー情報を使用したとして執行措置を発表した。

タイSECはビッカブCTOのサムレット・ワチャナーサティアン氏に853万0300バーツ（発表時でおよそ23万4000ドル）の罰金を科し、1年間いかなる仮想通貨企業の取締役または執行役員になることを禁じるとした。タイSECは、サイアム商業銀行（SCB）が同取引所の51%の株式を購入すると発表した取引に先立ち、ワチャナーサティアン氏が約61,000ドル相当のKUBトークンを購入したと主張した。このニュースは、KUBの価格を101％上昇させた。

「内部情報を知っている人間が、KUBコインを購入することは犯罪である」とSECは指摘した。

ワチャナーサティアン氏のリンクトインページは、記事執筆時にビッカブの最高技術責任者であるとの表記があるが、会社のウェブサイトには表示されなかった。

25日、SCBはビッカブの「様々な問題の解決」についての懸念のために、大株主になるための5億ドルの計画を放棄したと発表した。金融規制当局がビッカブの最高技術責任者に対しする執行措置を、同行が知っていたかどうかは不明だ。