米ドルに連動すると主張するステーブルコイン・テザー(USDT)のドミナンス(市場占有率)が急激に減少している。これまでNo1ステーブルコインとして圧倒的な地位を築いてきたテザーだが、最近の信用不安から、その地位が脅かされていることがデータからも明らかになった。

仮想通貨テザー(Tether)のドミナンス推移表

(引用元:The Block 「仮想通貨テザー(USDT)のドミナンスが激減」)

The Blockによると、ステーブルコイン全体の時価総額に占めるテザーの割合は、現在86%未満。2015年の11月29日以来、3年ぶりの低水準だという。

最近テザーに対して本当に十分なドル準備資金を持っているのかどうか疑問の声が上がっている。ドル資金の預け先と考えられていたプエルトリコのノーブル銀行がテザーとの関係を解消したという報道を受けて、その疑惑はますます深まっている。

代替ステーブルコイン

コインマーケットキャップによると、執筆時点の時価総額は、トゥルーUSD(TUSD)が1億6700万ドルで45位、パクソス(PAX)が約7900万ドルで81位。その後にウィンクルボス兄弟のジェミニドル(GUSD)、サークルのUSDコイン(USDC)が続いている。

ステーブルコイン市場は2014年に作られた。CCNによると、現在50以上のステーブルコインが市場には存在。さらに今後数週間、数ヶ月のうちに新たなステーブルコインは次々誕生する見込みだという。

日本でも今月9日にGMOインターネット株式会社が、日本円と連動したステーブルコイン「GMO Japanese Yen(GJY)」をアジア地域で2019年度に発行すると発表した。

仮想通貨の高いボラティリティ(価格変動率)への対策として、安定した価値を持つよう設計されたステーブルコイン。どのステーブルコインがこの混沌とした時代を生き残るのか、注目だ。