ステーブルコインの発行元であるテザー社が設立したシノニム・ソフトウェア(Synonym Software Ltd.)が、16日に正式に発足した。ライトニングネットワークを利用した独立した金融プラットフォームを通じてビットコイン(BTC)取引を主流にするというプロジェクトを開始した。

シノニム社の目標は、ビットコインとライトニングネットワークを利用したオープンな金融エコシステムを構築することで、仮想通貨の自己所有と管理を可能にすることだという。同社CEOのジョン・カルヴァルホ氏は、「ハイパービットコイン化は、魔法のように勝手に起こるものではない。大手銀行や圧迫的な規制、ビッグテックが生活を支配することのない世界で生活するためには、レガシー経済に代わる戦略とエコシステムが必要だ。そこで、シノニムの出番だ」と述べた。

Synonymが最初に発表するプロトコルは「スラッシュタグ(Slashtags)」と呼ばれるもので、ブロックチェーン技術に依存しないプライベートネットワークのための相互運用性フレームワークであり、調整、プライバシー、コンセンサスのためにあらゆるプラットフォームで使用できる。

ビットコインネットワークは先日、取引効率、プライバシー、スマートコントラクト機能の向上を目的とした、待望のタップルートへのアップグレードを完了した。タップルートは、SegWit(セグウィット)以来のメジャーアップグレード。SegWitは最終的に、ビットコインのセカンドレイヤーのスケーリングソリューションであるライトニングネットワークの立ち上げに至った。

スケーラビリティは、取引通貨としてのビットコインの大量導入を妨げる最大の障壁の1つとして挙げられている。ライトニングネットワークは、オフチェーンでの取引を可能にすることで、スケーラビリティの問題を解決することを目指している。業界関係者によると、相互に決済チャネルを開くライトニングネットワークのノード数は、過去12ヵ月間で128%増加している。

The number of Lightning Network nodes has increased sharply over the past two years. Source: Bitcoin Visuals