ステーブルコインのテザー(USDT)は、39のイーサリアムアドレスをブラックリストに登録した。これらのアドレスはUSDTで4600万ドル(約49億円)を保持しているという。

ステーブルコインではイーサリアムアドレスのブラックリスト化が相次いでいる。最近、仮想通貨(暗号資産)企業サークルと取引所コインベースによって設立されたセンターコンソーシアム(Centr Consortium)がステーブルコインの「USDコイン(USDC)」を10万ドル保有するイーサリアムアドレスをブラックリスト化している

ホライゾンゲームズ(Horizon Games)のイーサリアム研究者であるフィリップ・カストングアイ氏は、Dune Analyticsを使用して、センターとテザーの両方によってブラックリストに登録されたアドレスの数を追跡するダッシュボードを作成した。最大のアドレスは450万USDTを超え、4月5日にブラックリストに登録された。

39 addresses blacklisted by Tether

出典: Dune Analytics テザーによってブラックリスト登録された39のアドレス

USDCを保持するブラックリスト化されたアドレスと同様、テザーでブラックリスト化されたアドレスは、テザーと取引できなくなり、アドレスに保持されている既存のコインが凍結される。

仮想通貨取引所ビットフィネックス(テザーの兄弟会社)の法律顧問スチュアート・ヘグナー氏は、テザーが法執行機関と協力し、アドレスのブラックリスト化をしているとメディアに語っている

「テザーは法執行機関の捜査を日常的に支援している。…アドレスの凍結機能を通じて、テザーはユーザーと取引所がハッカーによって盗まれた数千万ドルを回復するのをサポートしている」

大半の凍結は予防的措置か

アーケイン・アセット(Arcane Assets)のCIOであるエリック・ウォール氏は、最新の凍結は6月14日に行われたとツイッターで指摘している。ウォール氏によると、凍結直前の6月13日にバイナンスからこのアドレスに93万9000USDTが送られている。

またウォール氏は、ほかのほとんどのアドレス凍結は予防的措置のものであると指摘している。

「その他のほとんどの凍結は、予防上の理由(おそらく詐欺/ポンジスキームとして識別された)、またはエラー/ほかのユーザーがエラーを発生さえないようにするため、イーサリアムアカウントで行われたようだ。凍結後、3つのアドレスが凍結を解除された」

ここ最近のステーブルコインの凍結問題は、仮想通貨コミュニティにおける中央集権的な組織への不信をさらに増大させているようだ。あるツイッターユーザーの1人は、検閲がない唯一のステーブルコインはDai(DAI)とsUSDだけだとコメントしている

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン