時価総額で3番目に大きいステーブルコイン「テラUSD(UST)」は、ドルとのペッグが維持できず、5月10日に0.67ドルまで下落した。
価格が下落すると、USTの価値の大部分を支えるテラ(LUNA)の時価総額も下落していった。USTの時価総額はLUNAの時価総額を大幅に上回り、仮想通貨コミュニティから厳しい目が向けられている。
記事執筆時点で、UST価格は0.78ドルで時価総額は141億ドルとなっている。一方、LUNAは35.07ドルまで下落している。このためレバレッジをかけたポジションに大量の清算が発生し、時価総額は124億ドルに落ち込んでいる。
LUNAの時価総額はUSTより低くなっている場合、アルゴリズム型ステーブルコインの価値を適切に裏付け、ペッグを維持するための資金がテラプロジェクトで不足している可能性がある。
is there a problem if UST mcap is larger than LUNA mcap https://t.co/24z3kPMpNv
— 찌 G 跻 じ Goblin King of the scam bots (@DegenSpartan) May 9, 2022
USTがドルとのペッグを維持する役割を担うルナ・ファウンデーション・ガード(LFG)はさらなる損失を軽減させ、ステーブルコインの価値を1ドルに戻そうとダメージコントロールを行っている。
USTを担保にビットコイン(BTC)を取得する戦略は、いくつかの要因から、良い影響を及ぼしていない。5月7日からクジラが2億8500万ドル相当のUSTを手放し、ステーブルコインの価値は0.98ドルから下落した。LUNAは61ドルを付け、3カ月ぶりの安値を付けた。
LUNA価格やUSTのペッグが不安定になっている中、LFGはエコシステムに必要な流動性を追加するため、5月9日に15億ドル相当の資本を投入するとしていた。
LFGは5月5日時点で約16万7081BTC(約35億ドル相当)を保有しており、さらに3万7863BTCを取得したと発表している。
テラの創設者であるド・クウォン氏は、本記事執筆の6時間前の時点では市場の影響に動じてない様子で、「より多くの資本を投じるー落ち着いてくれ」とツイートしている。その後、LFGがOKX取引所を含む宛先に4万2500BTCを移動させたことが明らかになった。
Deploying more capital - steady lads
— Do Kwon (@stablekwon) May 9, 2022
しかし、BTCがドルペッグ型ステーブルコインの裏付けになるというアイデアは、その限界を試されている。CoinGeckoによれば、5月5日から今日までの間、BTC価格は3万9874ドルから3万269ドルまで約25%下落している。記事執筆時点でUSTは1ドルから22%下落している。