テラ(LUNA)とステーブルコインのテラUSD(UST)崩壊によるノックオン効果は、テラと関連するDeFiエコシステム全体に広がっている。

USTの準備金であるビットコイン(BTC)の強制売却は、BTCの下落にも影響した。アナリストはさらにUSTとLUNAの流動性プールを持つDeFiプラットフォームが崩壊することを懸念している。

LUNA, ANC, ASTRO and MARS in USDT pairings. 4-hour chart. Source: TradingView

テラベースのプロトコルが苦境に

最も厳しい見通しのプロジェクトは、アンカープロトコル(ANC)、アストロポート(ASTRO)、マーズプロトコル(MARS)など、テラプロトコルでホストされているものだ。

上のグラフにあるように、アンカープロトコル(ANC)、アストロポート(ASTRO)、マーズプロトコル(MARS)は、LUNA価格が下落を始めた5月4日からトークン価格が80%以上急落している。

問題のプロトコルはすべてDeFiに特化しており、流動性ペアの主要なステーブルコインとしてUSTを、またスマートコントラクトにロックされた価値の主要な源としてLUNAを利用していた。

USTが1ドルのペッグから外れたままであり、LUNAが7日前の水準から98%下落して取引されている限り、これらのプロトコルが今日の落ち込みから立ち直って回復できる可能性は低いだろう。

インターブロックチェーン通信プロトコルも打撃

コスモス(ATOM)エコシステムの資産も、USTの崩壊によって大きな打撃を受けた。ATOMをはじめ、ミラープロトコル(MIR)、オスモシス(OSMO)、Kavaといったインターブロックチェーン通信プロトコル(IBC)を利用するトークンは、テラとの関連により急激な調整を受けた。

ATOM/USDT vs. KAVA/USDT vs. MIR/USDT vs. OSMO/USDT 4-hour chart. Source: TradingView

これらの資産の価格下落は、テラプロトコルでホストされている資産ほど極端ではなかったが、影響を受けたようだ。

ボラティリティから利益を得るメーカー

一方でメーカー(MKR)は、仮想通貨トレーダーがダイ(DAI)を市場で「最高の」分散型ステーブルコインの選択肢として受け入れた。市場全体が暴落するなかで明るい話題となった。

MKR価格は5月11日の取引で124%急騰し、1,025ドルの安値から2,299ドルの日中高値まで上昇した後、1,278ドルに落ち着いた。

MKR/USDT 4-hour chart. Source: TradingView

市場が現在の修正を消化し、ファンドやプロトコルの崩壊のニュースが現れると、フラックス・シェア(FXS)、USDD、mステーブル(MTA)などの他のステーブルコインプロトコルのパフォーマンスとトレーダーがこれらのプロジェクトからより中央集権のオプションに逃げるかどうかが注目だ。