◆台湾の「仮想通貨議員」が仮想通貨スタートアップへの支援を目的に新たなビジネスカテゴリーの創設などを含めた政策を発表
◆セキュリティー・トークンへの新たな法的枠組みなども提案した
◆先週、台湾が2019年6月までに、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)の規制を発表する見込みだと報じられた

台湾の「仮想通貨議員」ことジェイソン・シュー氏が、仮想通貨スタートアップへの支援を目的に新たなビジネスカテゴリーの創設などを含めた政策を発表した。コインデスクが29日に報じた。どのトークンが証券に該当するかを法的に明確にすることで、規制に対する不透明感を減らす狙いがあるとみられる。

アメリカの仮想通貨メディアであるコインデスクによると、シュー氏は、台湾の経済部に対して新たなビジネスカテゴリー創設を求めるほか、セキュリティー・トークンへの新たな法的枠組みなど新たな政策を提案。トークンを証券(セキュリティー)と判断するかどうかの基準を作る狙いだ。

同氏は、 仮想通貨が商品やサービスなどの購入に使われている場合やセキュリティー・オファニングと関係ない場合は、新たな規制は適応されないと主張。彼の政策が法制化されれば、どのトークンが台湾の証券取引法の適用範囲になるのかはっきりするという。

また、セキュリティー・トークン・オファリング(STO)は、株式クラウドファンディング関連の法律やルールが適応されるべきという見解も示したそうだ。

台湾とICO

先週、台湾が2019年6月までに、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)の規制を発表する見込みだと報じられた。金融監督委員会(FSC)のトップであるウェリントン・クー氏は、立法院財務委員会でICOによる消費者保護を強調しつつも次のように発言した。

「われわれが規制すればするほど、この新たな経済活動は鈍化する」

中国や韓国ではICOが禁止されている。最近、韓国はICO解禁について議論していると言われている。

ICOからSTO

2017年はICOブームだったが、最近はICO市場の苦戦が続いている。一方で注目を集めているのが先述のセキュリティー・トークン・オファリング(STO)だ。

13日にはナスダック(※)が、セキュリティー・トークンのプラットフォーム立ち上げを検討していると報じられた。STOは、ICOと同じくトークン発行で資金調達を目指すものの、初めからトークンは証券であることを認める点が異なる。ナスダックのSTOは、米国証券法に準拠することを目指しているそうだ。

The Blockによると、ナスダックはブロックチェーン企業のSymbiontをはじめ複数の企業と交渉中。新たなSTOプラットフォームではトークン化された証券の発行ができるほか、トレードも可能になると言う。このプラットフォームが立ち上がる時期は明らかになっていない。

※ナスダック(NASDAQ)とは新興企業やハイテク企業が数多く上場しているアメリカの株式市場の一つ。主な指数としてナスダック総合指数がある。