米投資運用会社ロウ・プライス・アソシエイツ、ウィズダムツリー、ウェリントン・マネジメント、カンバーランドは、レイヤー1ブロックチェーンであるアバランチ(AVAX)のサブネットを利用して、外国為替取引を試験運用する。アバランチの発表が明らかにした。

新たなサブネットは「スプルース」と呼ばれ、アバランチの「エバーグリーン・サブネット・エコシステム」の一部である。

発表によると、これら投資運用会社は最初に「価値のないトークン」をスプルース上で使用し、資本を失うことなく外国為替取引を行えるかどうかを確認する。金利スワップも早期にテストされる。長期的にはブロックチェーン決済をテストし「トークン化された株式や債券の発行、取引、ファンド管理」を模索していくという。

またスプルースは機関投資家向けコンプライアンス機能も提供。顧客確認(KYC)審査を経てネットワーク上で彼らを識別するために譲渡できないトークン(NTT)が発行される。また審査後には「チェーンレベル」でウォレットアドレスがホワイトリストに登録される。

米ウィズダムツリーのデジタル資産担当責任者であるウィル・ペック氏は、スプルースが伝統的な金融取引の効率化に向けて重要なステップとなると考えていると語った。

「トークン化とブロックチェーンは今後の金融サービスに重要な役割を果たすだろう。アバランチのスプルースは、他の金融機関とのオンチェーン取引および決済の潜在的な効率化と利点をさらに探求する機会を提供している。EVMベースのテスト環境での実験を楽しみにしている」とのべている。

4月6日、アバランチは機関投資家がコンプライアンス機能を備えたブロックチェーンを作成できる「エバーグリーン」サブネット・プロトコルを発表。運営元アバ・ラボの代表者は、これまでの機関向けソリューションであるコルダやハイパーレジャーが大手のニーズに対して十分に相互運用できるものではなかったため、これらのサブネットが必要だとしていた。

今年1月に実施された分散型取引所ユニスワップとステーブルコイン発行元サークルの共同研究では、外国為替取引のコストはブロックチェーンネットワークに載せることで最大80%削減できるとしている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン