合成資産プロトコルであるシンセティックス(Synthetix)はベンチャーキャピタルのパラダイム(Paradigm)やコインベースベンチャーズ、IOSGがリードする1200万ドルの資金調達を発表した。今回の資金調達ではDAOから直接SNXトークンを購入し、「SNX担保という形で流動性を提供することで貢献するとともに、急速に進化するコミュニティガバナンスシステムにも参加できる」という。
パラダイムの投資パートナーであるアルジュン・バラジ氏は「最先端の合成資産プラットフォームを構築するシンセティックスDAOをサポートできることに興奮している。」と述べており、「シンセティックスには仮想通貨業界の中でも最高のコミュニティがあり、その一部になれることを嬉しく思う」とした。
今回の投資はDAOによって管理されているプロジェクトに直接投資するファンドの初めての事例だ。VCがDAOが管理するプロトコルとどう関わることになるかは、最近話題になっている。VCが優遇されるべきではないという意見もあれば、オープンなエコシステムに参加するのは他の事業体と同様に歓迎されるという意見もある。
ユニスワップの創設者であるハイデン・アダムス氏は、VCとともに仕事をするべきだという主張がされている。
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— Hayden Adams (@haydenzadams) February 12, 2021
I think it's worth briefly explaining the positive and mutually beneficial experience I've had working with @paradigm @a16z @usv and other investors.
I've seen a lot of negativity and propaganda so I think it's worth sharing my personal experience.
Quick thread:
シンセティックスDAOの中心人物であり、シンセティックスガバナンスが分散化する以前のシンセティックス元 COOでもあるジョーダン・モンタジ氏は、プロトコルがどのファンドと連携しているかが重要であると主張している。
「多くのVCはあまり付加価値を持たない。質の高いVCとそれ以外のVCとの差は非常に大きい」とコインテレグラフに対して明かした。
モンタジ氏によると、1200万ドルの調達に参加した3つのVCはそれぞれ、個人投資家では到底実現できないような付加価値をもたらしているという。
「パラダイムは、社内の人事やネットワークを通じて、プロトコルの人材採用を支援してきた。また、バージョン3の計画検討にも積極的に協力している。我々のリ・アーキテクチャに関連したアプローチについての洞察を提供してくれた」とモンタジ氏は述べている。「コインベースベンチャーズは、社内外を問わず、多くの機能を横断的に接続するための支援をしてくれている」。
一方、IOSGは、中国地域のリーダーの雇用を支援したり、「直接宣伝を行ったり、中国語での教育コンテンツの作成」を支援したりすることで、シンセティックスの中国進出を後押ししているという。
今回の調達は、シンセティックスにとって特に重要な時期に行われたと言えるだろう。シンセティックスは最近、合成テスラ株の発売を発表したほか、SNXはグレイスケールの投資信託として次に上場される可能性のあるトークンの一つとなっている。
モンタジ氏は、この勢いに乗って、コミュニティの新しいメンバーにも協力してもらいたいと考えている。
「最も困難な問題に最も鋭い頭脳を適用することは、コミュニティの成功の一部であり、これらの新しいステークホルダーと緊密に協力していくことを楽しみにしている」。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン