スイスのツーク州財務責任者のハインツ・タンラー氏は、スイス銀行家協会(SBA)に対し、ブロックチェーン関連企業の銀行口座開設を支援するワーキンググループの設立を要請した。地元ニュースサイトのキャッシュが26日に伝えた

 スイスでは、ブロックチェーンや仮想通貨関連企業の銀行口座開設が困難であるため、タンラー氏は、チューリッヒ州財務責任者のアーンスト・ストッカー氏とともに、連邦議会のウエリ・マウラー議員にこの問題を提起した。タンラー氏は、銀行が仮想通貨に対してより友好的な国にビジネスを奪われるリスクを懸念していると伝えられている。

 タンラー氏は、ブロックチェーンはスイスに大きな可能性をもたらすものだとして、「スイスは決済取引ができないという理由で革新的な業界を失ってはならない」と述べた。マウラー氏はその後、スイス国立銀行(SNB)、財務省国際金融局(SIF)、スイス金融市場監査局(FINMA)、SBA、ヒポティーカバンク・レンツブルク銀行、チューリッヒ州、ツーク州の代表者と会合を開いた。

 その結果、SBAが代表を務めるワーキンググループが設立された。このグループは、国内のブロックチェーン関連企業の口座開設に関する銀行への提言を作成する。また、提言はFINMAとともにまとめられる。

 キャッシュによると、ツーク州の税務責任者は、銀行の法的安定性が欠如している理由は、すべての金融市場規制、特にマネーロンダリングに関する規制を遵守する必要があるためだとする声明を出した。声明によると、既存の金融市場規制はブロックチェーン企業には対応していないという。

 ヒポティーカバンク・レンツブルク銀行は今月初め、スイスで初めてブロックチェーン・仮想通貨関連企業向けのビジネスアカウントを開設した。スイスではファルコン・プライベート・バンクが昨年、暗号資産管理サービスを開始していたが、ヒポティーカバンク・レンツブルクのCEOは、スイスでブロックチェーン・仮想通貨関連企業向けの口座を開設するのは同行が初めてだと述べた。