シンガポールに拠点を置く仮想通貨ベンチャーキャピタル「スリーアローズ・キャピタル(3AC)」の共同創業者であるスー・ チュー氏は、同社が債務超過と戦っているという噂が渦巻く中、Twitterで不可解な声明を発表した。

3ACがマージンコールに応じられないというオンラインチャットは、3ACが今週、イーサ(ETH)価格が急落する中、清算の可能性を避けるためにAAVEなどのDeFiプラットフォームで資金を補充するために資産を移動し始めた後に始まったものだ。3ACは複数のポジションから合計数億ドルの清算に直面したという未確認の報道があった。

仮想通貨レンディングプラットフォームであるセルシウスもまた、清算を避けるために必死でポジションを強化している。セルシウスの資金は、分散型金融(DeFi)エコシステムの様々なプラットフォームにロックされた総価値(TVL)のかなりの割合を占めており、3ACは主要な借り手である。どちらか、あるいは両方が破綻すれば、この分野全体に大きな影響を与えることになる。

チュー氏は15日のツイートで、3日間ほどのソーシャルメディア上での沈黙を破り、会社が問題解決に取り組んでいることを示唆するメッセージを投稿した。

「関係各所と連絡を取り合っている最中であり、解決に向けて全面的に取り組んでいます」

仮想通貨分析を手掛けるメサーリのライアン・セルキス氏は、3ACが「GBTCとstETHの2つの合成取引で間違った側」になった後、バランスシートの再配置を開始したという分析を投稿した

またコリン・ウー氏は、5月中に3ACがビットフィネックスでの取引を通じて約3137万ドルの損失を出したと指摘した

チュー氏が自身のツイッターの自己紹介欄からETH、AVAX、LUNA、SOL、NEAR、MINA、DeFi、NFTへの投資に関する記述をすべて削除し、ビットコイン(BTC)への言及だけを残したことから、噂は一気に広まった。また、チュー氏がInstagramを削除したことも疑惑を強め、同氏と共同創業者のカイル・デイビス氏が3日間ツイッター投稿を休止していた理由を問う声も上がっている。

関連する問題として、3ACは5月下旬に数十億円の市場暴落を経験したLUNAトークン(現LUNAC)を通じて、テラ・エコシステムに以前から触れていたことだ。3ACは、テラが崩壊するわずか数週間前に、ルナ・ファンデーション・ガードに約5億ドル相当のビットコイン(BTC)を売却しており、その対価としてLUNAを受け取っている。

アーク・インベストの元仮想通貨責任者、クリス・バーニスク氏など、この分野の他の著名人も、3ACがテラとセルシウスに続いて崩れ去る会社だという噂を指摘した。アラメダ・リサーチもミームを通じて緩やかに言及している。