ベンチャーキャピタル企業のMMCベンチャーズが発表した新しい調査によると、英国のブロックチェーン企業は伝統的な資金調達戦略に目を向けており、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)モデルの利用がますます難しくなっているという。

4月30日に発表された調査によると、ICOはオープンソースプロジェクトにとって「貴重な」資金調達手段であると指摘している。

しかし、資本への安価なアクセスと、ほとんどの仮想通貨プロジェクトに含まれる難解な概念への理解の欠如とが相まって、ICOはバブルの完璧な条件を満たしていたとも主張している。調査の中では、2017年に実施されたICOのほぼ80%が詐欺だったという研究も引用されている。

起業家がビジネスよりも仮想通貨の値動きにばかり重点を置いてしまう環境を作るため、ICOによる資金調達は2018年末までに減速してしまった。

規制の欠如、技術の誇大宣伝、そして仮想通貨の急騰という歴史的背景が、2017年から18年はじめにかけてのICOブームの原因だと指摘している。

MMCベンチャーズの調査によれば、ICOが困難になるにつれ、英国のブロックチェーン企業は株式による伝統的な資金調達手段に回帰するようになっているという。

「ICOの資金調達モデルがますます困難になるにつれて、企業は伝統的な資金調達戦略に戻ってきている。これにより、創業者は企業のファンダメンタルズにより重点を置くようになった」

しかし、英国のブロックチェーン企業の株は米国の5分の1の数だが、株式投資の規模はその10分の1にとどまっている。この点についてMMCベンチャーズは次のようにコメントしている。

「これらのダイナミックスの背後にある主な要因を特定することは困難だ。企業がうまくスケーリングしていないか、資金調達に利用できる資本が少ないことに関連している可能性がある。さらに欧州のレーターステージの投資家が米国よりも保守的であるため、巨額の資金調達をするため、より多くの牽引力が必要な可能性もある」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン