フィンランドのハンケン経済大学の研究者が発表したプレプリント研究によれば、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)では提供者の顔が「信頼できる」と見なされるほど多くの資金を集める傾向にあるという。

「スマイルの価値」と題されたこの論文で、シン・トイ・マイ教授は、信頼性尺度で高く評価されたICOのメンバー画像を持つICOは、評価が低いものよりも最大95%多くの投資を獲得すると主張している。

「結果は、顔の信頼性と投資の間に正の相関関係があり、信頼性でランク付けされたICOの上位と下位の20%の平均資金調達額は約291万ドル(95%)異なる。注目すべきは、この認識された信頼性はICOのパフォーマンスとは無関係であることだ」。

マイ教授は「様々なソース」から5826件のICOのサンプルを手作業で収集した。これらのICOの調達総額は約240億ドルにのぼる。各ICOの投資家向け資料から得られた顔写真は、過去の実証研究からの指標を使用して「信頼性」評価を行った。信頼性尺度で高得点を獲得した画像を持つICOは、通常より多くの資金を調達したが、ICO後の投資家の関心はまた別の結果になったという。

「顔の信頼性はICO後とマイナスの相関がある」とマイ教授は記し、「トークンが取引所に上場されてから3ヶ月間のトークンの累積リターンと負の相関がある」と付け加えた。マイ教授によれば、最も信頼できる顔に惹かれた投資家がICOの価値を過大評価する傾向があり、過剰投資による損失を回収するためにすぐに売却することにあるという。

またこの研究では、入手可能な情報が少ない、GitHub上のコーディング情報が少ない、あるいはホワイトペーパーが複雑な場合、顔の信頼性がICOの魅力に大きな役割を果たすことも分かった。

これは、技術的知識が少ない投資家が、信頼できる笑顔の画像のような、意味があると感じられる他の指標を探す可能性が高いことを意味している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン