自動車および航空業界のブロックチェーン市場は、2029年までに200億ドル(約2兆2000億円)規模に到達すると予想される。市場調査のリポートリンカーが6月3日に報告書を公開した。

同報告書によると、自動車および航空業界でのブロックチェーンの市場は、2019年から2029年にかけて、年間平均成長率60.35%で増加すると予想した。ブロックチェーンは、その透明性や処理スピード、詐欺防止といった特徴から、大きく成長するとみられるという。

「自動車業界向けの資金調達、決済、保険サービスや航空業界の製造およびサプライチェーンにおいては、ブロックチェーンが市場を独占する状態となり、今回調査対象の期間、その独占は維持されると予想される。これは主に自動車業界のサプライチェーンの複雑さに起因するもので、同業界のエコシステムはつながりが強く、サイバー脅威問題の増加があげられるからだ」

現時点でも独占状態にあるプライベートブロックチェーンは、パブリックおよびハイブリッドのブロックチェーンよりも安全性が高い許可型のネットワークを使用し、より速度も速いとされる点などから、今回の調査対象の期間においてもその独占状態を維持するものとみられる。地域別では、北米が世界意をけん引すると予想される。

ブロックチェーンの採用を阻む問題としては、標準化や規制フレームワークの欠如、自動車業界内での技術専門家や問題意識の不足が指摘されている。

今年3月、米市場調査会社インターナショナルデータコーポレーション(IDC)は、今年の世界のブロックチェーン関連支出額は、前年比88.7%増の約29億ドル(3230億円)に達する見込みとの調査を発表し、「2019年はブロックチェーン導入の主流の年になる」との見解を示している。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版