1日の仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)は9500ドル付近を安定して推移している。6月に入って、今後どのような要素が価格に影響を与えるのだろうか。

株と原油が不安定に

今週の伝統的市場は不安定なスタートを切っている。米国で白人警官が黒人男性を死亡させたとして抗議デモが各地に広がっていることに加え、トランプ大統領の香港をめぐる中国への対応が軟化したことによる、株価への影響が心配されている。

こうした不安定な状況の中で金(ゴールド)などの「安全資産」に資産が集まっている。金は27日から50ドル上昇し、記事執筆時点では1743ドルと2011年以来の高値で取引されている。

米国では原油も下落しており、これによって、仮想通貨マイニング業者に利益をもたらす可能性があると主張する声もある。

これまで報じられているようにビットコインはここ数週間で「デカップリング」が生じており、金に追随する動きを見せるかもしれない。

データによると、ビットコインは第2四半期のみで50%近くのリターンをもたらしている。

(出典:Skew「ビットコインの四半期ごとのリターン」)

前回につづきマイナスの難易度調整

ビットコインは3日後にマイナスの難易度調整が予定されている。

ビットコインは2018年12月の弱気市場で底を打って以来、2回連続で下方調整は初めてだ。

(出典:Blockchain.com 「ビットコインのハッシュレート」)

一方でハッシュレートはゆっくりと上昇傾向にあり、1日には95兆ハッシュまで回復。今回の難易度調整によって、この上昇傾向はさらに強まることが予想される。

マイナーの売りが減少

5月にあった半減期によって、マイニング業者の1BTCあたりの収益は半分になった一方、売却が加速した。一時はマイナーが採掘量よりも多くビットコインを売却していたが、この10日間ほどでその傾向は沈静化している。

(出典:CryptoQuant「ビットコイン・マイニングプールのアウトフロー」)

さらに、ビットコイン保有者は2018年12月の安値以来、取引所にビットコインを預けなくなっている。ビットコイン供給量の60%は1年以上動いていない。

取引所からの出金については、投資家が上昇を見込んでの動きかどうかは意見が分かれている。

BTC先物のギャップは小さい

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物のギャップは金鐘は大きく開いていない。このギャップは週末に大きな価格変動が起きた場合に、その差を埋めるように価格が動くことが知られている。そこで上昇したり、下落したりするが、今週はそうした動きは起きなさそうだ。

(出典:トレーディングビュー)

また、本日、ストック・フローモデル(S2F)で重要な「赤点」が点灯したことが明らかになっている。これは歴史上、強気市場の始まりであるとされている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン