仮想通貨・ビットコインのニュースサイト|コインテレグラフ ジャパン
Amin Haqshanas
執筆者:Amin Haqshanasスタッフライター
Bryan O'Shea
校閲:Bryan O'Sheaスタッフ編集者

米CLARITY法案のステーブルコイン利回り禁止、資本の海外流出を招く恐れ=業界関係者

米CLARITY法案のステーブルコイン利回り禁止、資本の海外流出を招く恐れ=業界関係者
ニュース

米国で検討されているCLARITY法によるステーブルコイン利回り規制は、資本を米国外に押し出し、オフショアの不透明な金融構造へと資金を移動させるリスクをはらんでいる。

メガ・マトリックスでマーケット部門責任者を務めるコリン・バトラー氏は、規制に準拠したステーブルコインに利回り提供を禁じても米国の金融システムは守られず、むしろ規制下の金融機関が周縁化され、米国の監督が及ばない領域への資本移動が加速すると指摘した。

バトラー氏はコインテレグラフに対し、「利回りへの需要は常に存在する。規制準拠ステーブルコインがそれを提供できなければ、資本は単にオフショアや、規制の枠外にある合成的な構造へ移動するだけだ」と語った。

最近施行されたGENIUS法の下では、USDCなどの決済用ステーブルコインは、現金または短期国債によって全額裏付けられる必要があり、保有者に直接利息を支払うことが禁じられている。この枠組みは、ステーブルコインを利回りを生む金融商品ではなく、デジタルな現金として扱っている。バトラー氏は、3カ月物米国債の利回りが約3.6%に達する一方、銀行の預金金利が極めて低い現状では、こうした設計が構造的な歪みを生んでいると主張した。

同氏は、「銀行にとっての競争相手はステーブルコインではなく、預金者に低金利しか支払わず、その利ざやを自ら確保する銀行の姿勢そのものだ」と述べた。取引所を通じてステーブルコイン預金で4〜5%を得られる一方、銀行ではほぼゼロ金利という状況であれば、資本の再配分は合理的な判断だと付け加えた。

利回り禁止が「合成ドル」需要を押し上げる可能性

ファルコン・ファイナンスの創設パートナーであるアンドレイ・グラチェフ氏は、国内での利回り制限によって、いわゆる「合成ドル」が台頭する可能性があると警告した。合成ドルとは、1対1の法定通貨準備ではなく、構造化された取引戦略によってドルとの価値連動を維持する仕組みを指す。

グラチェフ氏は「本当のリスクは合成そのものではなく、開示義務のない無規制の合成商品が広がることだ」と述べた。

バトラー氏は、エテナのUSDe(USDe)を代表例として挙げ、仮想通貨を担保に永久先物を組み合わせたデルタニュートラル戦略によって利回りを生み出している点を指摘した。こうした商品は、GENIUS法における決済用ステーブルコインの定義に含まれず、規制上のグレーゾーンに位置している。

「議会が銀行システムを守ろうとしているのであれば、その意図とは逆に、資本をオフショアで不透明、かつ米国の規制管轄外にある構造へと追いやってしまっている」とバトラー氏は語った。

銀行側は、利回り付きステーブルコインが預金流出を招き、融資能力を弱めると主張してきた。グラチェフ氏は、預金が銀行の資金調達の中核である点は認めつつも、不公正な競争という枠組みで議論するのは的外れだと指摘する。

「消費者はすでにマネーマーケットや米国債、高金利貯蓄口座にアクセスできる。ステーブルコインは、それを仮想通貨ネイティブな環境に拡張しているにすぎず、従来の決済網が非効率な場面で役立っている」と述べた。

米国の競争力低下も懸念

国内問題にとどまらず、バトラー氏は国際競争力への影響にも警鐘を鳴らした。中国のデジタル人民元は今年、利息付きとなり、シンガポール、スイス、アラブ首長国連邦なども利回りを伴うデジタル金融商品の枠組み整備を進めている

「米国がドル建てステーブルコインの利回りを禁じれば、世界の資本に対して『無利回りの米国ステーブルコインか、利息付きの中国デジタル通貨か、どちらかを選べ』と言っているようなものだ。それは北京への贈り物になる」

グラチェフ氏は、米国には依然として、透明性が高く監査可能な利回り商品に明確な基準を設けることで主導権を握る余地があると主張した。しかし、現在のCLARITY法案の草案は、利回りを一律に扱い、透明で規制された構造と不透明な代替手段を区別していない点で、逆の結果を招きかねないと指摘した。

bitbankで新規口座開設後、1万円の入金でもれなく現金1,000円プレゼント!【PR】

仮想通貨, Dollar, 銀行, ステーブルコイン, Genius Act
Cointelegraphは、独立性と透明性のあるジャーナリズムに取り組んでいます。本ニュース記事はCointelegraphの編集方針に従って制作されており、正確かつ迅速な情報提供を目的としています。読者は情報を独自に確認することが推奨されます。編集方針はこちらをご覧ください https://jp.cointelegraph.com/editorial-policy