1月11日に取引を開始した9つの現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)は、デビューから2か月もせず30万BTC(170億ドル相当)を集めた。現物型ビットコインETFへの純流入は60億ドルを超えた。

9つの現物型ビットコインETFのBTC保有量は、ビットコイン総供給量の約1.5%に相当する。需要の高まりと供給の限界を背景に、BTC価格は5万7000ドルを超える新たな年間最高値を記録した。ビットコインの時価総額は1.1兆ドルを突破した。

9つの新しいビットコインETFのBTC合計. Source: K33 Research

2月26日、現物型ビットコインETFが5億ドル以上の純流入を続けた。9つのETFは24億ドルの取引高を記録し、1月11日の初取引日に設定された22億ドルの記録を更新した。取引高のトップはブラックロックのビットコインETF「IBIT」で12億9000万ドル、次いでフィデリティの「FBTC」が5億7600万ドルだった。一方、グレイスケールのGBTCはわずか2200万ドルの流出で、3営業日連続で流出額が減少した。

現物型ビットコインETFの流入 . Source: BitMEX

グレイスケールのビットコインETFは、FTXなどの企業によるGBTC株の大量売却により、設立以来連続して純流出を見ている唯一のファンドだ。GBTCは1月末までに56億4000万ドルの流出となったが、2月に入り流出は減少し、これまでに20億ドルにとどまっている。ETFへの転換以来、GBTCからは76億ドルが引き出されている。

グレースケールの流出額. Source: X

純流入が続き、GBTCの流出が減少していることは、現物型ビットコインETFへの強い市場需要を示している。これはビットコイン供給が減少する中での追加的な市場需要を生み出す可能性があり、ビットコイン半減期が2か月以内に迫っていることも影響している。現在、マイナーによって毎日900BTCが既存の供給に追加されているが、現物型ビットコインETFは取引日ごとに約8000〜9000BTCの純流入を見ている。ビットコイン半減期により供給がさらに減少し、需要が増加する中、BTC価格にとって極めて強気なシナリオが考えられる。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン