8月18日、米国の株価指数S&P500が、新型コロナウイルスによるロスを取り戻して、半年ぶりに過去最高値を更新した。新型コロナは収束せず足元の実体経済が悪い状態が続く中、FRB(米連邦準備理事会)による緩和マネーが支えた最高値更新となった。直近では仮想通貨ビットコイン(BTC)と米株の相関関係は以前より低下しており、S&P500最高値更新でビットコインがつれ高になるかは未知数だ。

(出典:Coin360 日本時間8月19日午前8時15分)

18日、S&P500は0.2%上昇し、3389.78で取引を終えた。新型コロナパンデミック前の2月19日につけた3386.15を上回り過去最高を更新した。米アマゾン株が株価全体を押し上げた。ハイテク銘柄で構成されるナスダック指数も過去最高値を更新した。

ただ、米国では新型コロナウイルスによる死者数が17万人を突破。1929年の大恐慌を上回る失業率を記録した。さらに追加の景気刺激策の規模をめぐって共和党と民主党が決裂している。

こうした状況下での株価最高値更新について、マーケットからは「株価は割高すぎであり、経済状況が2月時点に戻ったとは思えない」と警戒する声も出ているとウォール・ストリート・ジャーナルは伝えた。

Bコミで知られる株式評論家の坂本慎太郎氏は、7月末にコインテレグラフジャパン主催のトレーダーズライブに出演し、米国株式市場の見通しについて以下のように述べていた。

「(緩和マネーによる支え)だけでは株価を維持することは難しい。景気の回復を期待している投資家がいて、これが来年前半に剥がれてくると思っている。この時の相場の変調というのは、今年3月の大幅調整まではいかないとは思うが、それに近いような調整になると考えている。みんな景気が回復すると思って株式に投資しているので、それが裏切られるとそれは大きなポイントになる」

11月3日には米大統領戦も控えている。民主党のバイデン候補が当選したら、同氏が掲げる増税策に市場関係者が嫌気をする可能性もある。

さらに、株高を支えるロビンフッド族も不安材料だ。

手数料無料の株取引アプリ「ロビンフッド」を利用する個人投資家がコロナ禍で急増。投資未経験の若者も多く、非合理的な株高につながっている要因という見方も出ている。

ビットコイン価格とS&P500 相関関係は低下

一方、S&P500とビットコインの相関関係は直近では低下している。

次のグラフは、ビットコインとS&P500との相関を1(完全相関)から-1(逆相関)の範囲で表したものだ。

(出典: Mati Greenspan ビットコインとS&P500の90日間ピアソン相関)

クオンタムエコノミクス創業者のマティ・グリーンスパン氏は、「今年はじめには、複数の資産でのパンデミック初期段階のセルオフにより、相関が0.6に急上昇したことがはっきりとわかる」と指摘し、「しかし、今では再び0.2を下回っている。つまり、基本的には日々の相関関係はもうない」と、結論付けた。

ビットコインがリスク資産か安全資産かについては度々話題になる。新型コロナ後は緩和マネーを背景に株式市場が文字通りV字回復。溢れた資金が金(ゴールド)、ビットコインに流れるという構図も指摘される。

ビットコインが過去最高の2万ドルを回復するためには、独自のナラティブが必要なのかもしれない。