韓国最大のパブリック・ブロックチェーン・プロジェクトであるアイコン(ICON、仮想通貨はICX)は5月28日、ブロックチェーン伝送プロトコル(BTP)を公開した

同プロトコルによって、個々のブロックチェーン間に相互運用性(インターオペラビリティ)が実現し、ブロックチェーン上で移動された資産の合計価値である価値移転(バリュートランスファー)やサービスの呼び出し、データ交換が容易になる。

チェーン同士を繋ぐ

ブロックチェーン技術が進化するのに伴い、多数の競合ネットーワークが急増し、大部分はそれぞれ孤立して満足してきた。時にインスピレーションを求めて他のネットーワークを見ることはあっても、相互に十分なやり取りを持つことはめったにない。

しかし、アイコンは、その使命を「世界をあらゆる障壁を越えてつなぐ(Hyperconnect the World)」ことと明言してきた。この最新の発表は、その目標に向かう大きな一歩だ。

BTPとは、相互運用性(インターオペラビリティ)プロトコルだ。これによって、個別の独立したブロックチェーンが相互にやり取りし、コミュニケーションを取ることができるようになる。完全に異なるコンセンサスモデルとアルゴリズムを持つブロックチェーン同士でも可能だ。また、パブリック・ブロックチェーンとプライベート・ブロックチェーンの間でも相互運用性を実現する。

実世界でのユースケース

このような相互運用性の最も魅力的な応用は、異なるブロックチェーン間でトークンを転送することができることだ。アイコンはこう主張している。

「BTPによって、プロトコルのレベルで、中央集権的な取引プラットフォームを使用せずにスマートコントラクトを通して、あるチェーンから別のチェーンへと直接的に転送することが容易になる」

その他の用途としては、チェーンをまたいだコミュニケーションを通して分散型アイデンティティのようなデータを検証する、あるブロックチェーン上のサービスを別のブロックチェーンをきっかけとして自動化する、あるいは逆に、あるブロックチェーン上のサービスを自動化することが別のブロックチェーンのためになる、などの可能性がある。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン