韓国の大手仮想通貨取引所ビッサムがハッキング被害を受け、3000万ドル(約33億円)が盗まれた。同社がツイッターなどで明らかにしている。インターネット上では16日ごろから、大量のイーサリアムが引き出されていると噂されていたという。

 同社は「3000万ドルに相当する、いくつかの仮想通貨が盗まれた」とし、すべての出入金を一時中断しているとしている。盗まれた仮想通貨についてはビッサムが補償するとしており、すべての資産は現在、コールドウォレットに移行中だ。

 ハッキング探知に特化したプロジェクト「センチネルプロトコル」の韓国在住担当者によると、6月16日からビッサムのシステムに異常が発生していた。ビッサムが16日早朝に緊急のサーバーメンテナンスを発表。午前5時20分から午前9時までで予定していたメンテンナンスは、予定時刻を超え、午後0時まで行われた(すべて現地時間)。これをきっかけにネットのユーザー内ではビッサムに何か異常があるのではないかとの噂がたった。センチネルプロトコルによると、実際にハッキングが行われたのは19日夜だとみられ、ビッサムのホットウォレットがハッキングされたという。盗難された仮想通貨の中にはリップルも含まれているとしている。

 インターネット上で噂が広まってから、ユーザーがイーサスキャンなどで何が起きているのかを調べたところ、大量のイーサリアムがビッサムから出金されていたという。下記の画像は、韓国のネットで拡散されている、ビッサムから出金されているとされる画像だ。

 コインマーケットキャップによれば、ビッサムの取引高は約3億4600万ドルで世界第6位の規模だ。

 韓国では今月10日、仮想通貨取引所のコインレールがハッキングに遭い、約40億円相当の仮想通貨が盗まれた事件があったばかりだ。