韓国の検察当局は、金南局(キム・ナムグク)議員の仮想通貨取引に関する捜査の一環として、地元の2つの仮想通貨取引所のオフィスを家宅捜索した。

韓国メディアの聯合ニュースによると、ソウル南部地方検察庁の捜査チームが、取引記録などの資料を求めて、仮想通貨取引所のアップビット(Upbit)とビッサム(Bithumb)を家宅捜索した。

キム議員は、アップビットとビッサムで仮想通貨のウォレットを運用していたという。

当局による家宅捜索は、キム議員が5月14日に所属していた「共に民主党」からの離党を発表した直後に行われた。彼の離党は、彼がデジタル資産の立法に取り組んでいた2022年の5月と11月に、疑わしい仮想通貨取引を行ったとされるいくつかの告発に関連している。

キム議員のフェイスブック投稿によると、彼は自身の仮想通貨取引を巡る疑惑で他の党員たちに「負担」をかけたくなかったという。同じ投稿で彼はまた、告発的なメディア報道には「誤った事実」が含まれているとし、「真実を明らかにする」つもりであると述べていた。

疑わしい取引

5月8日のコリアタイムズの報道によれば、キム氏は金融活動作業部会が「トラベル・ルール」を施行する前に、60億ウォン(約6億円)の仮想通貨を売却したとされている。キム氏は、仮想通貨への20%のキャピタルゲイン税を2025年まで猶予する法案を支持していた。

キム議員は、仮想通貨を現金化したのではなく、別の取引所に移転したと主張している。この議員は、そのような活動を報告する義務はないとも主張している。

聯合ニュースの報道によれば、キム氏は2021年に約80万枚のウェミックスコイン(約60億ウォン)を所有していたという。

仮想通貨取引所を巡るごたごた

キム氏が資金を持っていたとされる取引所の1つであるビッサムはここ数か月、地元の規制当局による厳しい監視下に置かれていた。

2022年12月、取引所の最大株主である経営者が、横領と株価操作の疑いが持たれた直後に死亡が確認された。それから1ヶ月も経たないうちにビッサムは規制当局の調査を受け、翌年1月10日にオフィスが家宅捜索された。2月2日には取引所のオーナーが横領などの容疑により韓国当局に逮捕された

韓国の取り締まり強化

これらすべての事態は、韓国の当局が国内の仮想通貨活動に対する取り締まりを強化している中で起きている。

4月24日、韓国の中央銀行である韓国銀行は、仮想通貨関連事業の運営者に対する調査を開始する権限を与えられた。この新たな権限の一環として、韓国銀行は国内で運営している取引所から仮想通貨取引データへのアクセスを要求することができるようになった。

その2日後、仮想通貨規制法案は最初の審査を通過した。これらの新規制には、比較的厳しい刑罰勧告が含まれており、金融サービス委員会には「デジタル資産」関連活動を調査し、監督する権限を与える。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン