韓国の人気観光地である済州島が、政府の支援の下、ブロックチェーン技術に基づいた新型コロナ接触追跡システムを導入している。
14日、済州特別自治道とブロックチェーン技術企業のICONLOOPは、ブロックチェーンベースの接触追跡システムの運用が本格的に始まったと発表した。
「Jeju Safety Code(チェジュ安全コード)」と名付けられたこのプロジェクトは昨年8月に開始され、年間1500万人に上る済州島の訪問者の接触追跡を可能にするものだ。官民パートナーシップによるICONLOOPと済州島の共同プロジェクトである。8月以降、済州島政府とICONLOOPは島内の公共機関のほか、自治道政府エリア内の飲食店など複数の企業にシステムを実装している。
試験運用の成功を受け、チェジュ安全コードは「Safety Net Strengthening(セーフティネット強化)」や「Jeju-type New Deal Comprehensive Plan(チェジュ式ニューディール総合計画)」などの広範な社会プログラムの一部として10月にフィーチャーされた。少なくとも島内の5000以上の企業がシステムへの登録を申請している。
チェジュ安全コードを使えば、訪問者や観光客は個人データを失うリスクを犯すことなく公共の場所に安全に入場できる。チェジュ安全コードのアプリを使用するには、企業や観光スポットでQRコードをダウンロードする。事業者は自社施設にQRコードを設置することができるので、ユーザーは列に並ぶことなくチェックインが可能だ。
アプリの開発者によると、チェックインのためにアカウントにサインアップする必要はない。入場の際にユーザーの位置が認証され、その際、企業側はいかなる個人情報も保存する必要はない。
訪問者を特定するような情報や訪問記録はプライベートなブロックチェーンネットワークに保存される。アプリはICONLOOPの分散型ID(DID)テクノロジーシステムを使用し、新型コロナの症例が発見されない限りはすべてのデータが秘匿される。ICONLOOPによると、集まったデータは確定症例の疫学的調査の目的のみで使用されるという。
ICONLOOPは、ブロックチェーン開発において韓国政府に積極的に協力している。今年1月上旬には、国内の運転免許証データの管理について自社のDID技術をテストする許可が韓国の科学技術情報通信部から下りた。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン