韓国最大の保険会社、Kyobo Lifeが韓国政府によりブロックチェーンプロジェクトのメーンオペレーターとして任命された。

ビジネス・コリアなどの地元メディアは、Kyobo Lifeは、科学技術省の国家情報化社会局の監修の下、ICTやFuture Planningと契約を結んだと伝えている。また、Kyobo Lifeは、特にブロックチェーンを応用したモノのインターネット(IoT)システム開発のテスト実験に開発者や研究者たちを重点的に充てていると強調する。

Kyobo Lifeと共に、他にもD.Lemon、The Loop and Oneをはじめとする韓国国内におけるブロックチェーン、フィンテック系スタートアップが科学技術省の協力の下、Kyoboの研究開発チームと契約を結んでいる。投資金額は開示されていないが、ビジネス・コリアはKyoboと共に、すべての参加企業にはプロジェクト終了まで科学技術省から資金提供が行われていることを確認している。

Kyobo Lifeでシニアマネージングディレクターを務めるKim Wook氏は次のように語る

「保険業界が完全にフィンテックと繋がり、新たなサービスを導入したのはこれが最初のケースです。このサービスが将来商用化されれば、様々なフィンテック系テクノロジーを応用し、より良いサービスを提供することができるようになるでしょう」

上記のようなスタートアップを含むKyobo Lifeコンソーシアムでは、科学技術省、ICT、Future Planningが開発したブロックチェーンのコード基盤を利用し、保険会社やヘルスケア企業のシステムへの組み込みを模索している。

同コンソーシアムでは、ヘルスケアサービスへの少額支払いの自動化がプロジェクトの焦点のようだ。

"Kyobo Lifeコンソーシアムは、首都圏内の大手の病院と提携し、今年末までに、30万ウォン(270ドル)以下の少額の保険金を対象としたパイロットプロジェクトを実施する予定だ。将来的に安定期に入った後は、Kyobo Lifeは全国の全てのKyobo Lifeの利用者に対してサービスの拡大を予定している"と、ビジネス・コリアは伝えている

ブロックチェーンやイーサリアムへの関心が高まる韓国

韓国政府や政府機関のイニシアティブに見られるように、韓国ではパブリック、プライベートどちらのセクターも含めブロックチェーン開発やイーサリアムなどのテクノロジーの実用化するためのソリューションを模索している。

事実、かつての韓国は米国に次ぎ世界第二位のイーサリアム取引市場を有する国であった。しかし、中国におけるブロックチェーン、暗号通貨産業によるイーサリアムの開発が進み、韓国は世界第二位のマーケットシェアの地位奪取を中国に許す形となった。

現在では、中国のイーサリアム取引市場がグローバル市場における10.5%を占める。

3月には、韓国のとある行政区が選挙システムへのブロックチェーン技術導入に成功している。当時、キョンギドのナム・キュンピル知事は次のように語っている

「ブロックチェーンは、スマートフォンのようにあと数年で世界を変えることでしょう。第四次産業革命の技術、ブロックチェーンを利用した直接民主制により、代表的な民主主義の限界を補完することができるはずです。」