「南アフリカ政府が仮想通貨の枠組みを導入する際には、リスクの軽減に焦点が置かれることになる」。同国の金融セクター行為監督機構(FSCA)のアナシー・カムラナ長官のそうした発言が報じられた。

ブルームバーグの10日の報道によると、FSCAは22年の早い時期に規制の枠組みを発表する予定だが、その際には仮想通貨資産の「高い潜在リスク」から投資家を保護することに主眼が置かれると長官は述べた。仮想通貨に関する枠組みはすべて、健全性機構および、南アフリカ準備銀行の金融監視委員会(Financial Surveillance Board)と協力して構築されることになる、と長官は語っている。

カムラナ長官はさらに「潜在的な顧客に提供された商品について、彼らがその高い潜在リスクを理解していないとわれわれが判断した際に介入できる能力を持つべきである。単に商品の適法性を認めるだけにとどまらないよう、細心の注意を払わなくてはならない」と述べた。

南アの政府間フィンテック作業部会は6月、国内の仮想通貨の「段階的かつ構造的な」規制のための基盤整備を実施すると発表したが、FSCA長官のコメントはそれを受けてのもの。同国の仮想通貨政策はこれまでのところ、不介入の色合いが濃いものとなっている。だが同時に、投資家があまり保護されないことや、詐欺に遭っても政府を頼ることができないことなどについて公に警鐘を鳴らしている。