ソラナ(SOL)の価格は、6月12日に168ドルの水準を回復できなかった後、15%下落した。この弱含みの動きは、ネットワーク活動の減少やミームコイン需要の後退に伴って起きたものだ。
しかし最近になって、ソラナは分散型取引所(DEX)における取引高で再び2位に浮上したことで、トレーダーの間ではSOLが近いうちに180ドルを回復できるかどうかが注目されている。
DefiLlamaのデータによると、過去30日間のソラナ上のDEX取引高は641億ドルに達し、イーサリアムの614億ドルを上回った。一方、BNBチェーンは同期間に1596億ドルを記録し、依然として首位を維持しているが、6月を通してソラナはシェアを拡大している。
成長を牽引している主なプロジェクトは、レイディウム(191億ドル)、Pump.fun(142億ドル)、オルカ(139億ドル)などである。ただし、ソラナ全体のDEX活動は1月のピークと比べて91%低い水準にとどまっている。
ミームコイン市場の魅力は急速に薄れており、多くのトークンが過去16日間で25%以上の下落をみせている。たとえば、Gigaは42%、ポップキャットは35%、ファートコインとPNUTはともに31%、ボンクとWIFは25%の下落となった。こうした損失は、DEX市場でのソラナのシェア拡大に対する投資家の期待を冷ます要因となっている。
SOL投資家にとってのもう1つの懸念は、永久先物取引に特化したブロックチェーン「ハイパーリキッド」の台頭だ。この影響で、イーサリアムのレイヤー2やソラナ・BNBチェーン上の独立型DAppsへの関心が薄れている。
DefiLlamaによると、ハイパーリキッドの30日間の取引量は、上位5つの競合プロジェクトの合計を84%上回った。さらに重要なのは、この成功が、Pump.funのようなソラナベースの主要DAppsプロジェクトが、自前のブロックチェーンを立ち上げるという観測を呼んでいる。
こうした動きにより、「ソラナが業界の主導権を握る」というトレーダーの信念は揺らぎ、SOLに対するロングポジションの需要はデリバティブ市場でも後退している。
通常、市場が中立的であれば、永久先物におけるロングポジションの年間資金調達率は5%から12%の間に収まる。しかし、この率がマイナスになると、弱気派が手数料を支払ってポジションを維持していることを示し、市場心理の悪化を意味する。過去30日間のデリバティブデータを見る限り、SOLに対する継続的な楽観論は見られない。
SOLの価格上昇にとって最大の材料は、米証券取引委員会(SEC)によるソラナ現物ETFの承認の可能性だが、その判断は10月に予定されている。それまでは、ネットワークのテクニカル的な強みが価格の下支えとなると強気派は見ている。
ドリフト・プロトコルのDavo氏は、ソラナの堅牢なベースレイヤーが「資産の可用性」を支えていると指摘する。これは、トークンをネイティブに担保として利用できることを意味する。また、オフチェーンのマッチングエンジンが存在しないことも、取引の順序操作や優先実行からユーザーを保護する点で重要だと述べた。
ミームコインやトークンローンチのイメージが先行する一方で、ソラナのエコシステムはそれだけにとどまらない。ハイパーリキッドのような例外的な成功事例を除けば、ベラチェーンのような新興ブロックチェーンは預け入れ資産の確保に苦戦している。手数料の低さと高いスケーラビリティを備えるソラナにとって、ETFの判断を待たずとも180ドル水準への回復は十分にあり得るだろう。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。
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