ブロックチェーン分析プラットフォーム「BlockSeer」は、ブラックリストに登録されたウォレットからトランザクションを検閲する新しいビットコイン(BTC)マイニングプ―ル「BlockSeerマイニングプール」のプライベートベータバージョンをリリースした

このマイニングプールは、米財務省で経済制裁を担当する外国資産管理局(OFAC)が作成したブラックリストやほかの検証済みのソースからデータベースを作り、処理したくBTCトランザクションを識別する。マイニングプールでは、すべてのマイナーが本人確認(KYC)プロトコルに合格する必要がある。

Blockseerの親会社であるDMGの最高執行責任者であるシェルドン・ベネット氏は、この取り組みについて次のように述べている。

「このプールは、メインストリームの仮想通貨、特にビットコインの評判を傷つけ、広範な採用を妨げる不正なウォレットからのトランザクションに対処することに焦点を当てている」

モネロの元リード開発者であるリカルド・スパーニ氏は、これが危険な未来へとつながる懸念があると指摘している。スパーニ氏は、規制圧力の結果として、ビットコインのマイニングプールからトランザクション検閲が広がる可能性があるとみている。「ビットコインにプライバシーを追加することで、これを防ぐことができる」とスパーニ氏は主張している。

またスパーニ氏は「p2poolのほこりを払って、プールのStratum v2のサポートに焦点を当てるべきかもしれない」とも述べている。

P2poolは、2011年に設立された分散型ビットコインマイニングプールだ。Straum v2のドラフトは、マイニングプールの構成要素がマイニングするブロックの構成を決定するようにするセカンダリプロトコルであるBetterHashを実装するものだ。これにより、プール側の検閲が不可能になるはずだ。Straum v2を手掛けるBraiinsの共同創設者であるジャック・チャペック氏によると、ドラフトはまだ正式なレビューが必要だが、さらなる開発のためにスクエア・クリプトから助成金を受け取る。

WalletScrutinyの創設者であるレオ・ヴァルデルスレプ氏は、検閲への懸念は「ソフトフォークにつながる」可能性があると指摘する

仮想通貨取引所シェイプシフトがエリック・ボーヒーズCEOは、トランザクションの検閲がビットコインに深刻な脅威をもたらす時が来ると考えている。

「これは差し迫った問題ではないが、それは着実に進んでいる。今こそ備えを進めていくときだ」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン