ブルームバーグによる最近のインタビューで、シンガポールの中央銀行及び金融規制機関として機能するシンガポール金融管理局(MAS)の関係者は、MASは仮想通貨を規制する予定は無いと述べた。将来的にマネーロンダリングを防止する規制策の確立が必要であるとしながらも、中央銀行は「偏見の無い姿勢」を取り続けると言う。

マネーロンダリングはビットコインが原因ではない

インタビューにおいて、MAS局長であるラヴィ・メノン氏は次のように述べた:

我々は通貨自体は規制を必要とするリスクをもたらさないというアプローチを取ってきた。我々のアプローチは、仮想通貨に関連する行為に目を向けて、どんな規制が適しているかを評価するというものだ。

仮想通貨が違法な資金調達の手段として頻繁に乱用されているのは周知の事実であり、我々はAML/CFT(マネーロンダリング防止とテロ資金対策)の規制策を整えたいと考えている。そのため、これらの規制策の要求事項は、仮想通貨そのものというよりは、仮想通貨に関連する行為に適用される。

仮想通貨はもっと多くの機能を持っている

さらに、他の当局の大半とは異なり、メノン氏は仮想通貨を批判しなかった。ビットコイン等の仮想通貨を介した国境を越えた送金がより便利で効率的であるなら、中央銀行や学者は、より多くの人々に恩恵をもたらすためにブロックチェーンや仮想通貨をいかに利用するかにもっと焦点を当てるべきだ、と述べた。学者や専門家は、単に投資商品としての仮想通貨の経済的価値を考える代わりに、仮想通貨が国境を越えた銀行間の支払いをより安く、速く、効率的にし得るかどうかを考えるべきだ。

シンガポールにおけるブロックチェーンの大きな未来

シンガポールは常にブロックチェーン技術と仮想通貨を支持してきた。MASはブロックチェーン技術を最も早く採用した組織の1つだ。10月25日、シンガポールと香港は、互いの貿易金融プラットフォームをつなぐことによる、ブロックチェーン技術をベースとした国境を越えた貿易プロジェクトにおける協力を発表した。

「偏見の無い姿勢」のシンガポールは、ブロックチェーン技術の発展にとって最重要国の1つとなるかもしれない。また、同国は将来、ブロックチェーン技術の中心地となるポテンシャルを併せ持っている。