事実上の中央銀行であるシンガポール金融管理局(MAS)は24日、デジタル資産の決済効率化を目指しデロイトやナスダックなど複数の企業と提携したと発表した。

 シンガポール証券取引所(SGX)、アンクアン、デロイト、ナスダックと提携した。MASは、分散型台帳技術(DLT)を使った銀行間決済の可能性を探る「プロジェクト・ウビン」で、シンガポールドルをトークン化する実証実験を行なっている。今回の提携はその一環となる。

 同提携では、資産や証券を効率的に繋ぎ移転するのにブロックチェーンを導入する。異なるブロックチェーン上にあるトークン化した資産のDVP(証券の受渡しと資金の決済を同時に実施する決済方法)の構築において、アンクアン、デロイト、ナスダックが技術を提供する。

 プロジェクトリーダーでSGX技術部門の代表であるTinku Gupta氏は、同プロジェクトにより、買い手と売り手のどちらもDVPにおけるリスクを減らせると述べている。

 MASは、仮想通貨に友好的な法規制を構築しようとしている。2016年に開始したプロジェクト・ウビンの成果は、2020年頃に出ると予測している。MASのフィンテック部門代表のSopnendu Mohanty氏は、以下のように述べた。

「ブロックチェーンは既存の金融取引の在り方を劇的に変える。ブロックチェーン間でシームレスに取引出来れば、新しいビジネス機会が開けるだろう」

「(DVPにおいて)主要な技術パートナーとの提携は、これを実現することへの商業的関心の高まりを示している」