仮想通貨(暗号資産)に特化した米シルバーゲート銀行が26日に発表した2020年第3四半期の決算報告書によると、同期間の預入金額が過去最大の強気相場だった2017年第4四半期以来の水準だったことがわかった。

報告書によると、2020年第3四半期に、企業や個人からの新規預入額が5億8600万ドル(約615億円)追加されたという。2017年第4四半期は、8億3500万ドルだった。

シルバーゲート幹部は26日に行われた電話による決算報告で、今回の伸びの要因は堅調に価格が推移したことやビットコインが企業の有価証券に投資可能なアセットクラスとして採用されたこと、さらにベンチャーキャピタルから多額の新規資金調達があったためとしている。

機関投資家が増加

シルバーゲート銀行は、仮想通貨関連の顧客が47社増え、総顧客数は928社になったと報告。さらに200社が審査中であるという。

さらに47社の新規顧客のうち、33社が機関投資家だった。シルバーゲート銀行のアラン・レーンCEOによると、現在600ほどの機関投資家の顧客がいるという。同行が機関投資家向けに提供しているSEN(シルバーゲート・エクスチェンジ・ネットワーク)の手数料収入が330万ドルで、40%上昇。SENには仮想通貨取引所ジェミナイが2019年に参加。その他にはコインベースやクラーケンなども対応している。

2019年の年間で、SENを通じた送金額は320億ドルだったのに対し、2020年第3四半期だけで360億ドルとなり、SENの利用が急増したことがわかる。

融資が急増

シルバーゲート銀行は、SENレバレッジというビットコインを担保とした法定通貨ローンの借入が1300万ドル増加し、第3四半期には3550万ドルに達したとした。