元連邦検事のキャスリン・ホーン氏は、ビットコインの非犯罪性と、犯罪捜査でのブロックチェーンの活重要性について力説した。12日付のクオーツ誌のインタビューで語った。

 ダークウェブ上のマーケットプレイス「シルクロード」の捜査中に米連邦捜査官が詐欺と恐喝を行なった事件など、仮想通貨に関連する有名な犯罪事件を担当したホーン氏は、インタビューでビットコイン自体に犯罪性はないと述べた。 さらに、ブロックチェーンに情報を記録することで、犯罪者逮捕に重要な役割を果したと説明した。

 ホーン氏は現在、スタンフォード大学で仮想通貨とサイバー犯罪を教え、仮想通貨取引所コインベースの理事でもある。

 米政府に勤めていた間、ホーン氏は仮想通貨が犯罪に使用された事件を起訴するタスクフォースの指揮をとった。クオーツ誌とのインタビューでは、仮想通貨が使用されたからというだけで捜査が行なわれたわけではないという点を明確にした。

「ビットコインの技術を訴追するのは無理だとすぐに理解した。第1に、望ましいことではなかったし、第2に、私が導いていたタスクフォースは、仮想通貨に関連する犯罪でも、最悪の部類の事件に的を絞っていた。仮想通貨が使用されていたからではなく、犯罪が行なわれたからだということを強調したい。決済手段の問題ではなかったということだ」

 ホーン氏は同様に、13年に行なわれた米上院のビットコインに関する公聴会で、他の政府関係者らも、仮想通貨が必ずしも違法なものではないと認識していたと強調した。

「上院が公聴会を開いた。ビットコインに関する初めての公聴会だった。政府の参考人3人が証言をした。そして、3人全員がビットコインまたはビットコインの技術そのものに違法性はまったくないということを強調した」

 さらに、ホーン氏は、カルロス・フォース連邦捜査官とショーン・ブリッジ連邦捜査官2名がシルクロードの捜査中にビットコインを盗んだとして有罪判決を受けた事件で、ブロックチェーンが彼女の捜査に果たした役割についても説明した。ホーン氏によると、従来の金融機関は、捜査のための情報提供の役には立たず、「先延ばしにされて、延々と時間がかかり、まったく返事がないこともあった」。そして、「皮肉なことに、私たちが事件を解決する手助けとなった大量の証拠は、仮想通貨のプラットフォームとコミュニティから得たものだった」と述べた。