リップルは、タイのサイアム商業銀行がリップルネットの中で初めて「マルチホップ」と呼ぶ機能を導入すると発表した。従来のコルレス銀行を介した銀行間決済よりも、より迅速で手数料を抑えることができるという。リップルはサイアム銀行を介して、ASEAN域内の決済が容易になると強調する。
マルチホップ機能を使えば、リップルネット上で金融機関間で決済する際、金融機関同士が1対1で直接接続していなくても送金ができるという。サイアム銀行が仲介者となり、送金元と送金先をつなぐ役割を果たす。
リップルによれば、既存のコルレス銀行を使ったシステムの上では、現地通貨を米ドルに交換してから、複数の銀行にわたって送金し、最終的にドルから受取先の現地通貨に変換する必要があった。そのため、外国為替の送金には多くの手数料が必要なままだと指摘する。
マルチホップ機能でサイアム銀行とつながることで、通貨を交換せず、ASEAN域内外の決済が容易になるとしている。リップルはASEAN域内の決済の民主化につながると強調する。
かつてはASEA諸国への決済能力を持たなった小規模な金融機関にとって、支払い規模や金融機関の流動性プールに関係なく、マルチポップでASEAN諸国へのアクセスを民主化し、簡単に決済できるようになる。
リップルでインフラストラクチャ・イノベーションのグローバル責任者を務めるディリップ・ラオ氏は、今回のサイアム銀行の発表について、「リップルネットのスケーリングにとってマイルストーンだ!」とツイートしている。
Milestone in the scaling of #RippleNet! Now ANY regional bank can act as a correspondent bank, connecting originators and beneficiaries with multiple intermediate legs, yet with full transparency of data and an atomic (single) settlement across all legs. Fees down, speed up!
— Dilip Rao (@diliprao) 2018年9月28日