上海人民高級法院が、ビットコインは財産権法および規制の対象となる、と宣言する文書を発行した。この事実認定は、20年10月にある地方裁判所で提起された1ビットコイン(BTC)のローンの回収に絡む訴訟に関連して行われた。その地方裁判所は、ビットコインは、価値、希少性、可処分性を有していることから財産権の対象であり、仮想財産としての定義を満たしているとの認識を示していた。
中国のインターネットメディアによると、上海市宝山区人民法院は原告のチェン・ムーに有利な判決を下し、被告のシ・ムームーに対しビットコインの返済を命じたものの、同被告が命令に従わなかったため、訴訟は2021年5月に調停を行った裁判所に差し戻された。被告はもはやそのビットコインを所有していなかったことから、両当事者は、被告がビットコインを借り入れた当時の価値から割引いた額を返済することで合意したとのことである。
中国ではビットコインの取引が禁止されているため、貸し出されたビットコインの時価を確立することが不可能であったこと、さらに、仮想財産についての調査ができないという裁判所の調査と執行当局の限界も相まって同訴訟は複雑化したと報じている。
中国政府は17年に仮想通貨取引の取り締まりを開始・強化し、徐々に膨大な電力を消費する仮想通貨のマイナー事業者らの取り締まりへと移行した。現在では中国政府の関心は「NFT関連の違法な金融活動」に向けられている。