NTTデータや三菱商事など7社がブロックチェーン技術を用いて、貿易書類業務の完全電子化を目指すことがわかった。日経新聞が26日に報じた。システムデータの改ざんを防ぐために、ブロックチェーンを使い、紙を使っている貿易事務を効率化する。

日経によると、NTTデータが開発した貿易情報管理システム「トレードワルツ」の運営企業に7社が共同出資する。出資企業は三菱UFJ銀行や豊田通商、兼松、損害保険ジャパン、東京海上日動火災など。将来的には海外の企業も利用できるような、日本初の貿易文書処理プラットフォームを目指す。「トレードワルツ」では、文書の送信企業が必要事項を入力し、受信企業がその情報を参照する。郵送に比べて時間を削減できるほか、転記ミスを防げるという。

2021年3月までに商用向けサービスを始める予定で、24年度末までに国内外400社の顧客獲得を目指す。

また、輸出入企業の書類の他に銀行が発行する信用状や保険会社、物流会社の関連書類も扱うという。

すでに三菱商事が試験導入し、書類作成にかかる時間が半分になったとしている。

7社は2017年から実証実験を行ってきており、商用化の目処が立ったとして、今年4月に運営会社であるトレードワルツを立ち上げた。

ブロックチェーンを使った、こうした貿易管理システムはすでに、IBMが先行している。IBMと物流大手のマースクは2018年からブロックチェーン国際貿易プラットフォームである「トレードレンズ(TradeLens)」を開始。今年3月には英大手銀のスタンダード・チャーターズが銀行として初めて参加している

トレードレンズは、東南アジアの税関などでも導入されており、サプライチェーン情報の共有によって、国際貿易での貨物の真正性をリアルタイムで検証できることが強みだ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン