米証券取引委員会(SEC)は、仮想通貨取引所コインベースに対して未登録の証券を提供しているとして提訴した

SECの訴訟は、コインベースがブローカー、証券取引所、清算機関として登録されたことがなく、証券市場の開示制度を回避していると主張している。SECは、コインベースが提供するいくつかのトークン、例えばソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)、ポリゴン(MATIC)、ファイルコイン(FIL)、ザ・サンドボックス(SAND)、アクシ―インフィニティ(AXS)、チリ―ズ(CHZ)、フロー(FLOW)、インターネットコンピュータ(ICP)、ニア(NEAR)、ボイジャートークン(VGX)、ダッシュ(DASH)、ネクソ(NEXO)が証券に該当すると主張している。

訴訟ではさらに、コインベースが2019年から、つまり2021年4月の新規株式公開(IPO)の約2年前から未登録の証券ブローカーとして運営していたと主張されている。

訴訟では、コインベースのステーキングプログラムが5つのスタック可能な仮想資産を含んでいるため、ステーキングプログラムは投資契約であり、したがって証券であると主張されている。コインベースはすでにSECとステーキングの解釈を巡って論争をしており、その際にはステーキング製品は証券として該当しないと主張していた。一方ステーキングが証券かどうかを巡っては、同業のクラーケンがSECとの和解を行い、米国でのステーキングサービスを縮小している。

コインベース訴訟について、SECのゲーリー・ゲンスラー委員長は、コインベースが詐欺や相場操から顧客を保護せず、適切な開示と利益相反への対策を怠ったと主張している。SECの執行部門長であるガービル・グレワル氏は次のように述べている

「私たちの訴状に記載されているように、コインベースはそのビジネス活動に連邦証券法が適用されることを十分に理解していたが、意図的にそれらを無視していた」

SECが訴訟を発表した後、コインベースの株価は15%下落した。

Coinbase share price movement. Source: Google

米証券取引委員会がコインベースを提訴したのは、証券法を違反し、顧客の資金を混在させたとしてバイナンスを提訴した直後のことだった。バイナンスは13件の証券法違反で訴えられたが、コインベースに対する提訴は、コインベースが上場企業であるため、仮想通貨業界の多くの人々を困惑させている。

バイナンスのチャンポン・ジャオCEOは、コインベース提訴について「みんなに喧嘩を売らなければならないなら、もしかしたら自分自身に非があるのかもしれない」とSECの行動を批判している

仮想通貨コミュニティの多くの人々は、未登録の証券ブローカーとして運営していた場合、なぜコインベースが2021年に上場を許可されたのか疑問を呈する声も出ている

コインテレグラフはコインベースにコメントを求めたが、記事公表時点までに回答を得られなかった。