アニメ「ストーナー・キャッツ(Stoner Cats)」を手掛けるストーナー・キャッツ 2 LLC(SC2)は、非代替性トークン(NFT)の形で暗号資産証券の未登録の提供を行ったとして米証券取引委員会(SEC)からの告発を受けた。SC2は命令停止命令などの措置に同意した。
SECによれば、SC2は1個あたり約800ドルで1万個以上のNFTを販売した。販売は2021年7月27日に行われ、その収益はアニメシリーズの資金に使用された。購入者はこれらのNFTを通じて「ストーナー・キャッツ」を視聴でき、その内容は老婦人と彼女の猫が大麻を摂取するというものだった。6話構成の最初のエピソードは、NFTの販売から2日後に公開された。

この「ストーナー・キャッツ」プロジェクトは、女優のミラ・クニス氏が、既存のNFTクリエーターと協力して推進した。シリーズのキャストにはアシュトン・カッチャー氏、クリス・ロック氏、ダックス・シェパード氏、ゲイリー・ヴァイナーチュク氏、ジェーン・フォンダ氏、マイケル・ブーブレ氏、ミラ・クニス氏、セス・マクファーレン氏、ヴィタリク・ブテリン氏が名を連ねていた。
SECは声明で、SC2がNFTの二次市場の可能性を宣伝し、クリエーターの資格と俳優の知名度がNFTの価値を上げるだろうと思わせたと指摘する。NFTは、SC2が二次販売ごとに2.5%のロイヤリティを受け取るように設定されていた。SECによれば、NFTの二次販売は少なくとも1万回以上行われ、その総額は2000万ドルを超えていた。
停止命令に同意するだけでなく、SC2は100万ドルの民事罰金を支払うこととなった。また、「被害を受けた投資家」への補償のために基金が設立される予定だ。SC2は所有または管理下にあるすべてのNFTを破棄することとなった。
SECがNFT発行者に対して未登録証券販売の告発を初めて行ったのは、今年8月のインパクト・セオリー(Impact Theory)に対する告発だった。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン