「Seele(シール)」ICOの管理者の名を騙る詐欺師が、約2億円分のイーサをユーザーから集めていたことが分かった。4日、ファイナンス・マグネイトが報じた。
Seeleの公式テレグラムチャンネルで偽の管理者がメンバーにDMを送り、同ICOが一般公開される前のプライベートセールの一環だとしてイーサを募った。その際、Seeleのデータアナリストのニック・スミス博士の名前と写真が使用されたようだ。
Seeleの本物の管理者は今朝、テレグラムチャンネルで公式声明を発表し、緊急対応チームを立ち上げ、管理者アカウントに二重認証システムを追加したと述べた。
また、声明では攻撃者のウォレットアドレスも公開。本記事作成時点で約187万5622.75ドルを集めた模様だ。
Seeleの運営者は「今回の詐欺事案について深く謝罪する。Seeleのプレセールは開始していないが、詳細な補償プランを作成し、コミュニティメンバーの被害を最小にすべく責任を果たしていく」と述べている。
だが公式テレグラムチャンネルの複数のメンバーからは、今回の事案は「内部犯行」ではないかとの声が上がっている。誰かを管理者にできるのは管理者しかいないからだ。
仮想通貨やICOにまつわる詐欺は珍しいことではない。先月29日には、自称「仮想通貨銀行」の米アライズバンクが詐欺であることが明らかとなり、テキサス州当局から停止命令が出された。
さらに同時期には「ポンジスキーム(出資金詐欺)」であるワンコインのブルガリア拠点がEUの犯罪対策チームの捜索を受けたり、ライトコイン創始者チャーリー・リー氏の偽のツイッターアカウントが複数作成され、LTCを無料で配布するという名目でフォロワーが騙された事案もあった。