SBIグループのデジタル資産部門であるSBIデジタルアセットホールディングス(SBI ADH)はスイスでライセンスを保有する仮想通貨銀行のシグナム銀行への出資を発表した。SBIが出資ラウンドを主導し、出資額は千万ドル以上という。

今回の提携によって、SBIはセキュリティ・トークン・オファリング(STO)分野を強化する。SBIは2020年10月とともに仮想通貨やブロックチェーンを活用する企業に投資するファンドをシグナム銀行と設立。今回の出資によって、このパートナーシップを強化する。

シグナム銀行はトークン化証券(ST)による資金調達であるSTO分野に強みをもつ。さらにシグナム銀行は、銀行として世界初の試みとなる自社株のトークン化を実施している。これは、将来的な株式公開を視野に入れた動きだという。株式トークン化はシグナム銀行のSTO発行プラットフォームであるDesygnateで行われた。

シグナム側は今回の資金調達によって過去6ヶ月で3000万ドルの調達額を確保。欧州やアジア市場への拡大を図るほか、Desygnateやセカンダリーマーケット市場SygnExの商品化、機関投資家向けカストディ機能の拡充などに使われる。

シグナム銀行の共同創業者兼CEOであるマティアス・インバッチ氏は「2020年に、デジタル資産に対する機関投資家や金融機関の関心が世界的に高まった」とし、「新しいデジタル資産に分散投資できるようになることが楽しみだ」と述べている。

SBIデジタルアセットホールディングスのCEOであるフェルナンド・ルイス・バスケス・カオ氏は、「規制された銀行のプラットフォームは、デジタル資産への機関投資家の採用が増加する動きに対応する上で、不可欠な役割を果たす」と強調した。