ホリデーシーズンといえば、プレゼントの購入や、家族と時間を共にするなどして余暇を堪能するのが常だが、サンフランシスコでは、地下鉄のシステムがハッキングされたようだ。

事実、サンフランシスコ市内の非常に多くのコンピューターシステムが今週末にハッキングの被害に遭っている。

その数は想像以上で、ハックされた地下鉄システム全体が復旧するまで、地下鉄の利用が無料化される事態となっている。

犯行グループは、システムをオンラインに復旧する見返りとして、ビットコインで支払いを行うよう要求している。

 

2,000台以上のコンピューターシステムに影響

 

ランサムウェアの専門家によれば、HDDCryptorと呼ばれるマルウェアの一種によって、2,112台のサンフランシスコ市交通局内のコンピューターが攻撃されたようだ。この影響で、金曜の夜から土曜にかけて鉄道システムに影響が及び、日曜の夜になっても復旧のめどは立たない状況だった。

サンフランシスコのCBS系列のKPIXによれば、市内の交通機関内部からの情報で、システムが数日前にハッキングされたと、土曜日に通報があったようだ。券売機などが利用不能になり、キャッシュカードも使えない状況だったという。

“交通サービスには影響は一切ありませんが、利用者への影響を最小限に抑える予防措置として、改札口を無料で開放しています”と、交通局のスポークスマンであるPaul Rose氏は語っている―

 

現在調査中ですので、現段階で追加の情報などについて、コメントすることは差し支えさせていただきます。

 

犯行グループは、ビットコインを手に入れるために明らかに今回の騒動を故意に起こしている。ハッキングされた駅構内のコンピューターには次のようなメッセージが表示されていたようだ―

 

あなたのコンピューターはハッキングされました。データは暗号化されています。解除したい方は次の連絡先まで (cryptom27@yandex.com) ID:601

 

ハッカー集団はサービス復旧を条件に、、現在の価格で73,000ドル相当の100 BTCを要求している。

プライベートネットワークに侵入し、ビットコインを支払うよう要求するハッキング被害は、何も最近に始まったことではない。銀行や、警察署、病院、民間企業などが、過去2年にわたり現金ではなくビットコインを要求する同様のランサムウェアによる被害に悩まされている。はっきりさせておくべきなのは、ビットコイン自体が問題であるということではないということだ。しかし、ランサムウェアの専門家は、追跡しやすい他の決済方法よりは仮想通貨での支払いを求めるのが普通だろうと分析している。

ビットコインはパブリック・ブロックチェーンで運用されている。つまり、決済が行われれば、ウォレットまでは追跡が可能である。

しかしながら、追跡を逃れるため、資金洗浄用のデバイスなどを使いロンダリングが行われる可能性も存在する。

ランサムウェアの他の問題点として、常にそうとは限らないものの、被害者が、支払いが行われた後にきちんとコンピューターのシステムが解放されるのだと信じてしまう点が挙げられる。被害に遭った人達の多くは、1度身代金を支払った後にさらに金額を要求されている。