FTXの元CEOサム・バンクマン-フリード氏に、詐欺など複数の罪状でに有罪判決が下され、懲役25年の判決を受けた。これには仮想通貨業界内外から様々な反応を引き起こした。

3月28日、ルイス・カプラン判事は、バンクマン-フリード氏に対して240ヶ月と60ヶ月で合計25年の懲役判決を言い渡す際に厳しい言葉を付け加えた。カプラン判事はバンクマン-フリード氏を「泥棒」にたとえ、仮想通貨の規制を推進しようとする試みは「芝居」だと断じ、偽証を犯し「地球上の生命の存続をコインの裏表で決めることに平然としている」と評した。

どのくらい?どこに収監されるのか?

FTXの元CEOは、刑事裁判の証人への脅迫の疑いで保釈が取り消された2023年8月以来、ブルックリンのメトロポリタン拘置所に拘留されている。ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所の3月28日の記録によると、既に服役している期間を控除するとしており、バンクマン-フリード氏は最大で291ヶ月(24年3ヶ月)の懲役が残されている。最長で2048年まで収監されることになる。

カプラン判事によると、バンクマン-フリード氏は残りの刑期をサンフランシスコ湾岸地域の中等度または低度のセキュリティを持つ刑務所で過ごすことになる。報道によると、連邦矯正施設(FCI)ハーロングやFCIメンドータが候補地とされているが、現時点でどこに収監されるかは不明だ。

3月28日の判決を受け、ソーシャルメディア上では、バンクマン-フリード氏が懲役25年の全期間を服役することに疑問を呈している。米国法によれば、連邦罪に対しては仮釈放が適用されない。しかし、「善行」が認められた受刑者は、服役年数ごとに54日の刑期短縮が認められる。バンクマン-フリード氏の場合、これは約3.75年の減刑になり、これが適用されれば21.25年の服役となり、判決後21年の2045年には釈放される可能性がある。現在32歳の元CEOは、早期釈放された場合でも50代半ばになるだろう。

控訴の可能性は?

懲役25年の判決前に、バンクマン-フリード氏の弁護士であるマーク・ムカシー氏は、陪審の決定に対して控訴する意向を示した。弁護団は14日以内に裁判所に書類を提出する必要がある。

仮想通貨業界の多くは、FTXユーザーへの影響を考えると、バンクマン-フリード氏に対する25年の懲役は「軽すぎる」との見解を示している。しかし、一部では判決の重さに驚いているようだ。

「私はこれが(アレックス・)マシンスキーにも当てはまると思うが、彼らが文字通り死ぬ日まで実際に刑務所に収監されないことを願っている」と、fTX事件に関連する多くの独占情報を提供している仮想通貨インフルエンサーのティファニー・フォン氏は語った。「私個人的としては、32歳の人に対して事実上の終身刑になる40年から50年の判決を支持しなかっただろう」。

「それは信じられないほど長い刑期であり、彼が四半世紀も刑務所にいる必要があるかどうかはよくわからない」と、リベラル系メディア「ザ・ヤング・タークス」のアナ・カスパリアン氏は語った。「25年というのは、社会に脅威を与えた凶悪犯罪者に課すような刑期だと感じる」。

資金はどうなるのか?

デラウェア州で進行中のFTXの破産事件では、債権者がFTX破綻時の価格に基づいてユーザーに返済する計画を提出している。カプラン判事はまた、バンクマン-フリード氏の刑事事件の一環として110億ドルの没収判決を下した。3月29日のCNN報道によると、「この没収は、SBFがいつかお金を稼いでも、それが彼にではなく政府と被害者に行くようにするためのものだ」と元連邦検事のミッチェル・エプナー氏は解説した。「彼は一生資金を蓄えることができず、没収は破産を通じても解消されない」。

エプナー氏の発言は、バンクマン-フリード氏が釈放後に成功したビジネスを始めて何百万ドルも稼いだ場合、政府がこれらの資金を没収する可能性があることを示唆している。同様に、突然の大金が手に入った場合も、同氏が2022年11月以前のような財政状態を再び達成する可能性は低いだろう。