仮想通貨取引所FTXの創設者で元CEOのサム・バンクマン-フリード氏(通称SBF氏)は、世間的には顧客保護のための仮想通貨規制導入を支持していたにもかかわらず、規制当局を強く軽蔑していたようだ。
SBF氏の刑事裁判で、検察側は、SBF氏が以前にツイッターで顧客保護のための規制支持について発言したことを覚えているかどうか尋ねた。「覚えていない」とSBF氏は答えた。検事は「しかし、あなたはプライベートでは規制当局をクソくらと言っていましたよね?」と問いただした。「一度だけそう言った」とSBF氏は回答した。他の卑猥な言葉とともに、SBF氏は仮想通貨ツイッター上の「一部の人々」を「愚かクソ野郎」と述べていた。
逮捕前のSBF氏は2021年に米議会下院金融サービス委員会で仮想通貨規制について証言していた。
「規制はパブリックリレーション(PR)だと言ったのか?」と検事は尋ねた。「そんな感じのことを言った」とSBF氏は答えた。さらなる尋問の中で、SBF氏は仮想通貨規制のメリットについて、競合する取引所バイナンスからFTXがシェアを奪う助けになるとも述べた。
2022年11月8日、バイナンスの創設者であるジャオ・チャンポン氏はFTX買収の意向を表明していた。しかし、翌日にはFTXの財務状況を見てバイナンスが取引を断念した。SBF氏は、2022年11月7日に顧客からの出金額が約40億ドルに達し、これは通常の取引量の100倍で、会社を深刻な流動性危機に陥れたと回想している。
バンクマン-フリード氏の刑事裁判は進行中で、来週初めには結審する見込みだ。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン