FTXの元CEOであるサム・バンクマン-フリード氏に寛大な判決を求める声が上がっている。詐欺罪など7つの罪状で有罪となった同氏は3月28日に量刑判決を受ける予定だ。検察側は同氏に対して懲役40~50年を求刑している。
ニューヨーク南部地区連邦裁判所に提出された書簡で、5人の個人がルイス・カプラン判事に対し、バンクマン-フリード氏への量刑を重くしないように求めた。これらの書簡は、SBFを個人的に知る人々やFTXの崩壊に影響を受けた人々からのもので、SBFのヴィーガンとしての生活様式、自閉症との向き合い方、ユーザーへの返金計画を強調している。
2012年から2014年までSBFと同居していたアダム・ヘスターバーグ氏は、半数の家族をベジタリアニズムやヴィーガンへと転換させたことを根拠に、バンクマン-フリード氏に「寛大な判決」を求めた。同氏を個人的に知らない他の人々は、カプラン判事がバンクマン-フリード氏の特異な「性格特性」を考慮することを求めた。
自閉症と診断された子供を持つマリア・セントレラ氏は「経験上、自閉症スペクトラムにいる人々の心の働きは異なると言える」とし、「サムに会ったことはないが、彼がMITの卒業生であるにもかかわらず、起こっていることの全貌を完全に理解しておらず、悪意はなかったと確信している」と述べた。
検察当局はバンクマン-フリード氏がFTXおよびアラメダ・リサーチでの資金を不正使用したとして、40年~50年の懲役を求刑している。一方でバンクマン-フリード氏側の弁護士は懲役5~6年が妥当だと主張している。
バンクマン-フリード氏の近親者らも2月に同様の文書を判事に提出し、彼の性格を考慮すると「刑務所に入れることは厳しすぎる」とし、身体的な危険性があると主張している。だが弁護側からの書簡では、FTXの崩壊が投資家に与えた影響には触れられていない。FTX破産で投資家は数百万ドルの資産へのアクセスを失った。
「SBFが自閉症防衛のために軽い罰を受けるべきではない」と、自閉症の人々をサポートするNPO団体AutismBCのディレクターであるルーカス・ゲイツ氏は2月28日のツイートで語った。「彼は自分の行動が詐欺であることを知っており、残りの日々を刑務所で過ごすべきだ」。
元FTX CEOは、2023年8月にカプラン判事が保釈を取り消した後、拘置所にいる。11月、陪審員は1か月にわたる裁判の後、バンクマン-フリード氏を全7つの罪で有罪とした。