仮想通貨取引所FTXの破綻から500日以上経過し、サム・バンクマン=フリード(SBF)被告に禁錮25年の判決が下された。この判決に関し、仮想通貨ユーザーはソーシャルメディアで即座に反応、自分たちの考えを表明した。 多くのユーザーは、25年では不十分であり、一見軽微な犯罪に対してより長い刑が言い渡されていると指摘した。

「判事はより深刻な犯罪で35年の刑を受けたチェルシー・マニングよりも軽い刑を言い渡した」と、エドワード・スノーデンはプラットフォーム上で述べた。これは、マニングが2013年にスパイ防止法違反で有罪判決を受けたことを指している

Source: Mandrik

SBF被告には100年以上の禁錮が言い渡される可能性があったものの、判決前の時点でこのような判決はありえないと指摘する声が多かった。多くの法曹関係者は、服役期間は10年から30年になるだろうと推測しており、中には仮想通貨業界関係者への有効な抑止力になるのではないかという意見もあった。

「カプラン判事は、犯罪の重大さ、SBF被告が証人として偽証を行い証人を買収したという結論など、量刑要素を全て考慮し、厳しい判決を言い渡した」と、ニューヨーク東地区の元連邦検事補であるマーク・ビニ氏はコインテレグラフに語った。「検察側の40〜50年の求刑よりは軽いが、非常に重大な判決であり、仮想通貨業界での犯罪には深刻な結果が伴うというメッセージを業界に送っている。」と指摘した。

Source: U.S. Attorney's Office for the Southern District of New York

スワン・ビットコインのマネージングディレクターであるテレンス・ヤン氏は、コインテレグラフの取材に対し、FTXの崩壊に起因する自殺の件数、SBF被告の偽証、顧客資金の流用を踏まえると25年は「軽すぎる」とし、「正義は果たされていない」と強く反論した。

「SBF被告が与えた被害は恒久かつ重大だ」とヤン氏は語る。「彼は悪質な行為で多くの家族や人生を破滅させ、全く反省のない態度でさらなる傷を負わせた。彼がADHDであることは理解できる。裁判所にはADHDの家族から情状酌量を求める声明も提出されたが、顧客資金を数十億ドルも盗み、何百万もの人々の生活を破壊したり傷つけたりしたADHDの人は世界中でSBF被告だけだ。」

バンクマン・フリード被告は、3月28日に裁判所から退廷後、2023年8月にカプラン判事が保釈を取り消して以来勾留されていたブルックリンにあるメトロポリタン拘置所へ移送された。

FTX デジタルマーケッツの元共同CEOであるライアン・サラメ被告は、この事件に関与する人物の中で次いで判決を受ける可能性が高く、期日は5月1日となっている。なお、FTXやアラメダ・リサーチに関連する他の元幹部であるゲーリー・ワン、キャロライン・エリソン、ニシャド・シン氏は既に有罪を認め、司法取引に応じている。