米国の検察当局は11月2日、サム・バンクマン-フリード氏側の弁護団の最終弁論に反論を提示した。
12人の陪審員は11月2日、マンハッタン南部地区裁判所で審議を進め、現地時間の午後8時までに判決が下されると予想されている。
検察側は、バンクマン-フリード氏が詐欺など7つの罪状で有罪である証明する上で「検察としての責任を果たした」と主張した。検察側によれば、FTX元CEOのバンクマン-フリード氏は、FTXで保有されている資産が安全であり、FTXの姉妹会社アラメダリサーチが顧客資金に関与していないという誤った印象を顧客、投資家、メディアに与えた。
検察側は、バンクマン-フリード氏がFTXの崩壊前の数ヶ月と数週間にツイートや公の声明を通じて、顧客の資金が分別管理されていると主張したが、実際にはそれらの資金がアラメダリサーチによって流用されていたと指摘した。
検察側はまた、バンクマン-フリード氏がFTX破綻後にメディアに公の姿を現したという弁護側の主張を否定し、彼のインタビューやツイートは彼を信頼できる人物に見せるために使われたと主張した。
検察側は「彼は逃亡犯になりたくなかった」と述べ、バンクマン-フリード氏が米国大統領になるという野心を持っていたことを付け加えた。「彼は顧客の信頼を得るために嘘をついた」と糾弾した。
さらにバンクマン・フリード氏が顧客資金を自分の「貯金箱」だと考えていたと付け加えた。
検察側によれば、弁護側が前日の最終弁論で検察側がバンクマン-フリード氏を怪物として描いたと主張したことは「でたらめ」だという。検察側は、キャロライン・エリソン氏、ゲイリー・ワン氏、ニシャド・シン氏について「彼らは被告の指示に従って行動していた」と述べた。バンクマン-フリード氏の元同僚だった幹部たちは司法取引に応じ、検察側の証人として証言した。最終弁論で、弁護士たちは彼らの証言は検察のシナリオに沿ったものだと批判し、それらの証言は無効だと主張した。
検察側によれば、弁護側は陪審員にバンクマン-フリード氏がアラメダとFTXの事態について何も知らなかったと信じさせたがった。「それはばかげている」と米国検事は述べ、弁護側の主張が証拠と矛盾していると主張した。
FTXはリスク担当の幹部を雇わず、削除されたメッセージや横領について誰もわからないようにしていたと検察は語った。「彼は自分がやっていることが間違っていることを知っていた。だからリスク担当幹部を雇うことはなかった」と陪審員に語った。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン