仮想通貨PRIZMを開発したユーリ・マヨロフ氏が4人組の男らに拉致され、現金2万ドル、300ビットコイン(BTC)、iPhone3台を奪われるという事件が発生した。仮想通貨サイトのフォークログが26日伝えた

 コインマーケットキャップのデータによると、PRIZMは約1550万ドル(16.6億円)の時価総額を有し、本記事公開時には1.04ドル前後で取り引きされていた。

 マヨロフ氏本人の証言によると、2月23日午後10時、モスクワのイサコフスコゴ通りで4人の男に掴まれてベンツに乗せられ、街中を移動する車内で暴行を受けたという。

 男らは、インド旅行のためにマヨロフ氏が両替したばかりの米ドルとiPhone、ノートパソコンを奪ったという。ノートパソコンからは、マヨロフ氏の仮想ウォレットへアクセスが可能で、そこには300BTC(現在の価値で3.2億円強)が入っていた。

 最初にこのニュースを報じたテレグラムチャンネル「マッシュ」は、マヨロフ氏を解放する前に男らが「何やら明るい色の錠剤を与え、それをウォッカで飲むよう強制した」と伝えている。それによって、マヨロフ氏が警察へ通報する前に病院へ行くように仕向けたという。

 ロシアやウクライナでは、仮想通貨に関わる人々が拉致されたり強盗に遭う事件が増加している

 この4日前の2月23日、モスクワの仮想通貨投資家がナイフで顔面をめった切りにされ、約100万ドルに相当する100BTCが奪われた。1月中旬には、仮想通貨で得た財産を自慢していたユーチューバーがサンクトペテルブルクの自宅で襲われ、2400万ルーブル(約42万8000ドル)を奪われた。

 ウクライナでも昨年12月、英国に拠点を置く仮想通貨取引所EXMOの代表取締役パヴェル・ラーナー氏がキエフで拉致され、3日後に身代金100万ドル以上をビットコインで支払って解放された。