RONトークンが今年にはいって5倍にもなっている。ローニンネットワーク(RON)はイーサリアム(ETH)のレイヤー2ブロックチェーンでゲーム分野に特化している。

Delegated Proof-of-Stake(DPoS)という合意形成メカニズムへの移行や、アクシーインフィニティ(Axie Infinity)以外にもゲーム・ポートフォリオを拡大する計画が背景にある。

RON価格と取引高 出典: Nansen

ローニンは4月12日に現行のプルーフオブオーソリティ(PoA)からDPoS合意形成メカニズムに切り替える予定だ。以前のメカニズムでは、ネットワーク上のトランザクションの検証を行う参加者が6~9人いたが、これによりネットワークが集中化のリスクにさらされることになっていた。これが2022年3月29日のローニンネットワーク6500万ドルのハッキング事件の主な原因となっていた。新しいDPoS合意形成メカニズムでは、RONのステーキング参加者がネットワークの手数料を収益化したり、ネットワークを運営するバリデータに投票できる。

また、アクシーインフィニティとローニンネットワークを運営するスカイメイニス社はゲーム・ポートフォリオの拡大にも動いている。

先月30日には、トライブススタジオ、バリゲームズ、ディレクティブゲームズ、Bowled.ioなどの4つのゲームスタジオがローニンネットワークを利用してゲーム開発することが発表された。

さらにImmutableやAvalancheサブネットなどの競合相手に対抗して、Web3ゲームの発売プラットフォームになることを目指している。

また開発者たちをプラットフォームに引き付けるために開発者ポータルも立ち上げた。

RONはさらなる上昇余地があるのか?

2022年3月のハッキング事件後、RON価格は大きく下落し$2.10から$0.22へと約90%下落。その後RONは2022年の残りの期間を通じて$0.50未満で取引されていたが事件からほぼ1年後に急騰したかたちだ。

一方リスクもある。RONは4月27日に予定されているトークンのアンロック(配布)により、総供給量の4.15%が運営元スカイメイビスとエコシステムファンドに配られる。これが売り圧につながる可能性はある。

テクイカル分析的には、2023年2月のピーク時の約$1.01の抵抗線を上回っていることから、買い手に優位性がある。抵抗線がサポートに転換されると、買い手はおおよそ$2.10にある2022年の下値水準を目指す可能性が高い。

Axie Infinity UAW(ユニークアクティブウォレット)、取引量、トランザクション。出典:DappRadar

分散型アプリ分析プラットフォームのDappRadarによると、アクシーインフィニティの利用者は最近増加している。2023年3月11日以降の30日間でユニークアクティブユーザー数が最も多いブロックチェーンゲームで11位にランクインしている。

ここで述べられている意見、考え、見解は著者のものであり、必ずしもコインテレグラフの見解や意見を反映しているわけではない。本記事には投資助言や推奨事項は含まれていない。投資や取引に関してはリスクが伴うため、決定を行う際には独自のリサーチを行うことが望ましい。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン