ルーマニア国立情報科学研究開発研究所(ICIブカレスト)はNFT取引プラットフォームの立ち上げを通じて、同国でのWeb3普及を推進することを目指している。
同研究所がたちあげるのは公共機関向けのNFTプラットフォームで、民間および公共機関とユーザーとの間につながりをつくることを目指している。ユーザーはサイト上でNFTを発行、管理、取引することができる。
コインテレグラフはICIブカレストのブロックチェーン研究所コーディネーターであるポール・ゲオルゲ氏に、同国がWeb3技術を導入する動機について話を聞いた。
ICIブカレストは過去5年間研究開発を中心に取り組んできたが、世界中でブロックチェーン、Web3、NFTが注目を集める中、これらの分野に注目をシフトさせた。
ゲオルゲ氏はNFTが独自性と希少性を持つデジタル資産を生み出す能力があり多くの用途に適用できることに気づいた。これが2021年末にICIブカレスト内でNFTプラットフォームを立ち上げる提案につながった。
同研究所は2022年半ばにMultiversXと提携しNFT取引所を開発・実装することを開始した。
MultiversXのベニアミン・ミンクCEOがコインテレグラフに対して語ったところによると、この提携には分散型ドメイン名システム(DNS)およびトップレベルドメイン(TLD)エコシステムの開発も含まれている。
ブロックチェーン技術と工業工学の博士号を持つゲオルゲ氏によるとこのプロジェクトはルーマニア政府傘下のルーマニア研究・イノベーション・デジタル化省が支援している。
プラットフォームの立ち上げにあわせ、ルーマニアの著名なスポーツ選手、団体、機関と協力して開発された5つのユニークなNFTコレクションが登場する。これにはルーマニアオリンピック・スポーツ委員会、18歳の100メートル自由形世界記録保持者デビッド・ポポビッチ、ルーマニアニュースエージェンシーAgerpres、国立郵趣組織Romfilatelia、ブカレスト中央大学図書館が含まれる。
このような取り組みはイノベーションと起業精神の文化を促進することで、国の経済的潜在能力を高めるとゲオルゲ氏は語る。
「ブロックチェーン技術は、教育、健康、交通、土地登記、サプライチェーン管理など、さまざまな公共機関の業務効率を向上させる。」